ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するものではないだろうか。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。2023ビジネス書グランプリを受賞したこの本は、SNSで「働くすべての人に読んでほしい」「人生の教科書にします」と絶賛コメントが多数寄せられている。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。
部下はこう考えている
「ここでなにを発言しても、結果は変わらない」
「意見を言っても、どうせ通らない」
メンバーがそう思った時点で、その会議は失敗だ。
「採用される空気」はあるか
「なにか発言しても会議時間が延びるだけ」と、みんな口をつぐんでしまう。
だからリーダーは、「発言したら採用される」空気感をつくらないといけない。
アイデアなんて最初は未熟
この「採用」は、アイデアや意見をそのまま本採用するという意味ではない。
アイデアなんて、どんなものでも最初は未熟。
だからはじめは「切り口」として採用する。
議論を燃やす薪にするのだ。
薪をくべて大きく育てる
新たに投入された薪によって、話が大きく盛り上がったり展開したり。
そんな会議ができると、みんな俄然やる気を出すし、おもしろいアイデアにつながっていく。
人は一度蹴られると口をつぐむ
たとえば商品のネーミングを考える会議で、あるメンバーがアイデアを出したとする。
たとえそれが芯を食っていない意見でも、「いまいちだな」と一蹴すると、以降その人はなかなか自分の意見を出さなくなる。
プライドも傷つくし、無力感を持ってしまう。
だからそのアイデアは、次のアイデアの呼び水として活用するのだ。
アイデアはみんなで育てる
「それってつまり、こういう切り口のアイデアだよね。同じような発想で、ほかにも出てきそうな気がする。どう思う?」
そんなふうにまわりに振る。
それだけで会議は活気が出るし、議論の深まり方もまったく変わる。
次の会議では、みんな自分のアイデアを持ってきてくれるだろう。
最初から100点を求めない
100点のアイデアだけを求めるのは、針の穴に糸を通せと言っているようなもの。
それではみんな萎縮して、自由に発想することができない。
心理的安全性を保つ
一方で、自分の意見そのものが採用されなくても、チーム全体のアイデアにつながったり、会議の場に寄与すると信じられれば、活発に意見を出してくれる。
本気で楽しんで、会議に臨んでくれるようになる。
アイデアが出ないのはリーダーの責任
もしメンバーが新しいアイデアを出してこなくなったなと思ったら、それはリーダーの進行、ファシリテーションに問題がある可能性が高い。
気づかないうちに、やる気の芽を摘んでいるのかもしれない。
いい空気をつくれば、ひとりで考えるより絶対にいいアイデアが生まれる。
それがチームだ。
(『佐久間宣行のずるい仕事術』より)
※本書には、この他にも、たくさんの仕事術が収録されています