私たちの行った冷水療法のテスト方法とは?

 30日間、毎日アイスバスに入りました。「Lumi Recovery Pod(ルミ・リカバリー・ポッド)」に庭のホースを入れ、必要に応じて氷を補充しています。そして「WHOOP 4.0(睡眠と休養にフォーカスした、手首や上腕に着用するアクティビティトラッカー)」を使い、入浴中の心拍数をモニターし、毎日の入浴が疲労回復、睡眠、ストレスレベル、安静時心拍数や心拍変動などのバイタルサイン(生命活動を示す重要な指標で「脈拍」「呼吸」「体温」「血圧」「意識レベル」の5つが基本)に及ぼす影響を観察しました。

アイスバスに入るのは
どんな感じですか?

「冷たい」と言ったら、ありきたりでしょうか? ですが、水の冷たさはアイスバスを試してみたい人にとっての、非常にわかりやすい障壁でもあると言えます。

 そんな私は数年前、雑誌の特集のために1月初旬にスコットランドの湖で泳いだことがあります。そのとき、呼吸をコントロールするのが難しくなる冷水ショックに対して、他の人よりも免疫があることを自覚してとても驚きました。ただ、私はこの生理学的な利点をもっているにもかかわらず、アイスバスに最初に軽く浸かったときは、息が詰まるぐらいだったのです。

 アイスバスを始めるにあたっては、子ども用プールに水を入れるのと同じくらい準備は簡単で、冷水にはエプソムソルト(硫酸マグネシウムの一般名称)をたっぷりと入れました。ルミの創設者であるギャビン・ティーグ氏が、「これで水が緑色になるのを防ぐことができる」と助言してくれたからです。

 私がアイスバスに入ったのは、3月初旬の午後7時30分。外は暗くて本当に寒かったので、じっと入っていられるのは3分が限界で、突然気が遠くなったもののなんとか身体を引きずって屋内に入りました。

 実際のところ、3分というのはそれほど悪くありません。呼吸法と冷水浴が神経系と脳機能に与える影響の研究の第一人者である前出の神経科学者アンドリュー・ヒューバーマン氏は、「週に合計11分の氷水浴で十分な効果が得られる」としています。つまり、1週間に数分ずつ、数回のセッションで十分なのです。

 ヒューバーマンはまた、「冷水から出たときに何をするか?によって、プラスの効果を多く生む」ということも発見しています。室内に駆け込み、タオルにくるまり、熱いシャワーに飛び込むのではなく、熱心なアイスバス愛好家は“身体が冷えたままで終わらす”ことを原則としています。

 そして自然乾燥させ、うすくまったり暖を求めたりしないようにすることで、自然に身体を温め直させ、代謝を促進させようとしているのです。つまり、エネルギー消費を促す褐色脂肪細胞(*6)を活性化させるということです。

 とは言え、それはアイスバスを始めた最初の晩にすることではありません。