パワートレーンにハイブリッドや4WDの設定はなく、自然吸気の1.5L直列4気筒i-VTEC(118ps/142Nm)を積んだFFモデルのみ。最低地上高は195mmと余裕たっぷり。それなりに悪路にも対応できるに違いない。

 ラインアップは、16インチスチールホイールを履くエントリーのX(209万8800円)と、17インチアルミやLEDフォグライトを装備する上級のZ(234万9600円)、そしてZに各部のデコレーションを加えたZ+(248万9300円)という3グレード構成。パワートレーンなどをシンプルに割り切ったことで、全車200万円台前半というリーズナブルな価格を実現した。装備は充実しており、ホンダセンシングをはじめ、フルLEDヘッドライト、ナビ装着用パッケージ、パドルシフトなどは全車に標準装備。価格は安いが、決して“我慢グルマ”ではない。

素直で気持ちのいいキャラクター
使い勝手に優れ、走りも意のまま

 2024年3月の発売に先立ち、いち早くテストコースで試乗する機会を得た。内外装デザインはシンプルながら、質感の高さが印象的。中でもボディパネルのリアフェンダーあたりの処理はボリューム感たっぷり。最新設備のあるインドの工場でないと実現できなかったとのことで、たしかに凝った形状をしている。

 インテリアは機能的で整然とまとめられている。サイドブレーキがレバー式という点を歓迎する声は、小さくなさそうだ。

 プラットフォームは、前半分がフィット、後ろ半分はアジアで販売されている小型SUVという構成。センタータンクではなく、燃料タンクは後席下に配置。ただしフィットと前半フロアを共用しているため、前席下のふくらみは残っている。後席の居住性をはじめ車内空間はクラストップと呼べるほど広い。まさに余裕たっぷりだ。後席用のエアコン送風口を標準装備するなど、配慮も十分である。

 その理由は、WR-Vは日本ではエントリークラスでも、生産国のインドではかなり高級な部類に属する戦略車だからだ。インドではショーファードリブンとしても使われる。そのため室内の広さ、とりわけ後席の快適性が重視されるのだ。

 荷室も大容量。クーペライクなヴェゼルと比べると奥行きが長く、フロアは低く、天地方向の余裕もある。その広さをアピールするTVCMも印象的だ。試乗会場でも、実際に4人分のキャンプ用品がラクラク積み込める様子を実演してくれた。後席を立てたまま、こんなに!と思うほどの量を積んでもまだ余裕があることに驚いた。