り災証明書は、本人または同居の家族が市区町村に申請した後、自治体が住宅の壊れ具合を判定する。

 住宅に大きな損害を受けたとき、被災者生活支援法が適用された地域では、用途は問われず生活再建のために使える被災者生活再建支援金の「基礎支援金」を受け取ることができる。「基礎支援金」は全壊世帯に100万円、大規模半壊世帯に50万円。これに「加算支援金」として、住宅を建設・購入する場合は200万円、補修する場合は100万円、賃借する場合は50万円がそれぞれ追加される仕組み(金額はいずれも世帯人数が複数の場合、単数世帯は各4分の3相当の金額)になっている。判定によって受け取る金額が異なるので、トラブルも多いという。

「り災証明書で半壊の判定に疑問があれば二次審査や再調査の申請ができます。その際、被害を証明する手段として片付けや修理をする前の状態の動画や写真があれば役に立つことも多いです」(永野さん)

 また、自宅は被害を受けていないが、道路やライフラインが寸断されるなどして自宅に住めないケースは支援金の対象にならない。

「り災証明書は住宅の被害を基準にしているので、家に被害はなくても避難せざるを得ない状況の人は置き去りになっているのが課題です。ただし、二次災害の危険があって、住宅に住むことかができない世帯が『長期避難世帯』の認定を受けられる対象になります」(同)

 住まいの地域や場所が長期避難世帯に該当するかどうかは都道府県が認定するので、自治体に相談が必要だ。

震災で職場が被災したら
雇用保険の特例措置で生活をつなぐ

 職場が被災して休業したため給料の支払いがストップした場合は、「災害時における雇用保険の特例措置」がある。雇用保険の基本手当(失業給付)が支給され、居住地とは別のハローワークでも手続きできる。

 加入している火災保険会社に連絡をして保険金を受け取る手続きをするとき、保険証書を自宅から持ち出せなくても「自然災害等損保契約照会センター」に問い合わせれば、照会してもらえる。

https://www.sonpo.or.jp/soudan/icrcd.html