23年11月末に急逝した三井住友フィナンシャルグループの太田純氏の後を引き継ぎ、急きょ社長に就任した中島達氏。日本銀行による金融政策の転換が間近だと言われ、金融環境は激変期に突入しつつある。そんな中で、現状のグループの課題や今後の方針はどのように考えているのか、話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
――太田純前社長の逝去後、社長に就任してからこの間をどう感じていますか。
普通は社長就任までに2~3カ月間の準備期間があるわけですが、それが全くありませんでした。ただし良い面もあったと思います。変に気負うことなく、目の前のことに一つ一つ取り組むことができているからです。
幸いなことに、グループ全体の業績は非常に順調です。太田さんの急逝という悲劇を消化しながら、これまでの勢いを落とすことなく、事業を続けられている手応えは感じています。
――日本銀行が、マイナス金利政策を解除する可能性が高まっています。金融環境の変化をどう感じていますか。
金利が変わると、業務に変化はあります。ただし、米国のように政策金利が5%に上昇することにはならないと見ています。
マイナス金利がゼロになり、その後0.5%までにいくかどうかというところでしょう。ですから、金融環境が緩和的な状況は続くと想定しています。つまり、これまでのビジネスを大きく変えなければならないという状況にはないと考えています。
現在の中期経営計画は1年ほど前に作ったわけですが、マイナス金利政策はどこかで変わるのではということは想定していました。今は来るべきものが来たな、という受け止め方です。