マッキンゼー・アンド・カンパニー

 マッキンゼーは、グローバルリーダーの育成を使命とするグローバルトップファームです。特に重視していることで有名なコンピテンシー(行動特性・能力)は、「リーダーシップ」です。コンサルタントのリーダーシップとは、組織のトップが発揮すべきいわゆる「人の上に立つリーダーシップ」とは異なります(詳細は、本書の中で説明しています)。採用の際は英語力が求められないファームも多いなか、マッキンゼーでは英語でのケース面接が行われます。

<採用で見られるポイント>
・極めて高いインテレクチュアルスキル:経営に関する幅広い知識や実際の事例、ビジネスのトレンドなどのファクトをおさえた戦略立案ができるとよいです。
・卓越したリーダーシップ:「グローバルリーダーとして世の中を引っ張っていきたい」という強い意志やアスピレーションを語れるようにしておきましょう。
・ビジネスレベルの英語力:特に会話力が求められ、英語でケース面接も行います。インテグレイティブ以外のサービスラインでは、各サービス領域における経験や高い専門性が求められます。

<特徴>
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、1926年にジェームズ・O・マッキンゼーによって設立されました。1929年にアンドリュー・トーマス(トム)・カーニーを最初のパートナーとして迎え入れ、1933年にマービン・バウアーが入社しました。1937年にマッキンゼーが急逝しますが、バウアーがニューヨークオフィスを率いて色々な経緯ののち、1947年に現在のマッキンゼー・アンド・カンパニーになります。バウアーは、マッキンゼーの成長を長期にわたってリードし、ファクトベースの分析的アプローチによる科学的・論理的な問題解決の方法論を確立したことで、「現在の経営コンサルティング業界の父」とも称されています。
日本支社は、1971年に設立されました。1972年に入社した大前研一が1975年に出版した『企業参謀 戦略的思考とはなにか』は、日本における経営コンサルティングの礎を築いた書籍といえます(50年近く経った今でもロングセラーです)。
クライアントに常に最高水準の支援を提供することを掲げていることから、時代と共にクライアントのニーズに合わせてサービス内容を拡げており、従来のジェネラルな経営コンサルティングを手掛けるインテグレイティブに加えて、デジタルやアクセラレート(実行支援)、オペレーション(サプライチェーン・マニュファクチャリングなど)、RTS(企業変革・事業再生)、クォンタムブラック(データサイエンティスト)、リープ(新規事業立案)などの多岐にわたるサービスラインを有しています。
また、グローバルで真の「One Firm(ひとつのファーム)」として運営されているのが特徴で、各国のコンサルタントが国をまたいでプロジェクトにアサインされたり、社内のナレッジ(英語で管理されている)を有効活用する観点から、英語が社内公用語となっています(応募時の必要書類も英文レジュメのみです)。

ボストン コンサルティング グループ

 日本支社の従業員数が世界の中でも多く、日本に根差したグローバルトップファームです。BCGが特に重視するのが「インサイト」すなわち洞察力です。洞察力については本書でも詳細に説明していますが、ロジカルシンキングから一歩進んで「独自の考えや切り口・視点があること」が求められます。

<採用で見られるポイント>
・極めて高いインテレクチュアルスキル:ロジカルかつ柔軟な発想から独自のインサイトを示すことができるとよいです。
アスピレーション:自分が何を大切にしていて、それを磨くためにどういうことをしてきたかを語れるようにしておきましょう。

<特徴>
BCGは、1963年にアーサー・ディ・リトルから独立したブルース・ヘンダーソンらによってボストンで設立されました。今では「経営戦略」という言葉は当たり前になっていますが、初めて「戦略」という概念を経営に導入したファームです。
また、「経験曲線」や「プロダクト・ポートフォリオ・マトリクス(PPM)」、「タイムベース競争」などの画期的なアイデアを開発したのもBCGです。競合企業に対する「差別化」「優位性」の必要性をいち早く提唱し、「Insight(洞察)」「Impact(インパクト)」「Trust(信頼)」のサイクルを付加価値の源泉として捉え、重視しています。
東京オフィスは、1966年にボストンに次ぐ2番目のオフィスとして設立されました。いち早く日本市場に着目し、クライアント経営層が抱える経営戦略上の課題に対して、深い洞察からインパクトのある戦略を提案、さらに戦略の実現まで手掛けてクライアントを変革し、持続的な競合優位性を構築することで信頼を得ています。その結果、日本において最も規模が大きい経営戦略ファームとなっています。
このようなクライアントの変革を実現するために、各業界や業務領域における高い専門性を有する経営戦略コンサルタントを抱えているだけでなく、テクノロジーやデジタル、デザイン、インキュベーション創出などを手掛ける人材も有しており、アーキテクトやシステムエンジニア、データサイエンティスト、デザイナー、プロダクトマネージャーなどと経営戦略コンサルタントが協働しています。
また、東京オフィス以外にも、名古屋・大阪・京都・福岡にオフィスを構えており、グローバルファームでありながらしっかりと日本に根差したファームといえます。

(※本記事は、『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』から抜粋・編集したものです)