【豪華スパイ対談】『SPY×FAMILY』作者が驚いた「本物のスパイも使う“主人公ロイドの特殊能力”」とは?Photo by Shinya Morimoto

大ヒット漫画『SPY×FAMILY』作者としてスパイを描く遠藤達哉さん。公安警察時代はときにスパイ、ときにスパイハンターとして日本の治安を維持した勝丸円覚さん。フィクションとリアル、それぞれの世界でスパイを熟知する2人による豪華対談。第2回(全8回)は、「言語できない感覚」にどのように向き合い方について、漫画家とスパイ、それぞれの事情を教えてくれました。あまりに正確なスパイの描写......「どうやって思いついたのか」と舌を巻く勝丸さんに作者が放った一言が『SPY×FAMILY』の魅力を物語っています。(構成/ライター・東田俊介)

“言葉にできない感覚”
との付き合い方

遠藤 僕は生活リズムがめちゃくちゃなので、真夜中や早朝にリフレッシュのために散歩をすることもあります。勝丸さんのようなエキスパートに怪しいやつと思われているかもしれないですね(笑)。

勝丸 その可能性はあります(笑)。

遠藤 なるべく不審人物と思われないように意識して歩いたりもしますが、そうやって取り繕った行動をしている人を、勝丸さんは見抜くことができますか? 

勝丸 不自然さは感じるかもしれませんね。 例えば、泥棒やストーカーは移動のためにそこを歩いているのではなく、特定の目的を持って歩いていますよね。下見のため現場付近を訪れたり、誰かの後を追ったりしているので違和感を感じることもあります。見慣れない顔を短期間で2回見たら、必ず気に留めておくようにしています。そもそも言葉にはできない「怪しさ」みたいなのが漂っていますね。

【豪華スパイ対談】『SPY×FAMILY』作者が驚いた「本物のスパイも使う“主人公ロイドの特殊能力”」とは?Photo by Shinya Morimoto

遠藤 やっぱり記憶力も必要なのでしょうか?

勝丸 記憶力も大事です。

遠藤 自分だったら「この前もすれ違った人だな」ぐらいで、「怪しい」とまでは思わない気がします。

勝丸 遠藤先生もお仕事をしていると、そうした“言葉にできない感覚”の部分って多いのかなと思いますが、いかがですか?