“自分らしくいること”が、コミュニケーションがうまくいく一番の秘訣」
つい周りに合わせて無理をしてしまったり、自分の言いたいことをうまく言えなかったり…そうして、悩んだ経験はありませんか?
感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』は、そんないつも周りを気遣うことのできる人に向けて作られた書籍として注目を集めている。
アナウンサー歴30年超でありながら、実はもともと極度の人見知りで「人前で話すのがずっと苦手」だった著者による、「大人にふさわしい会話のテクニック」が多数掲載されている。
自分と相手が調和するコミュニケーションの秘密がわかる本書。
今回はその中から特別に「信頼される人の特徴」を紹介します。

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言葉選びが下手だと相手に伝わらない

 言葉選びの基準は「小学生にもスッと意味が伝わる」くらいです。

 実際に、そうやって原稿を作ると、文字だけを追ったときに、一見、小学生の作文のように見えて驚くかもしれません。しかし、耳から入るとちょうどいい具合に聞き取りやすく、印象に残る内容になります。意外とそういうものなのです。逆にうまく言葉を選んでいない場合には、相手に伝わらない主張になってしまうことでしょう。

 一文を短くすると、話し手も流れをつかみやすく、負担を減らせるメリットもあります。原稿を仕上げる時点で、「話し言葉で、短く」の2点をチェックするようにしてください。

 今回は特に、「小学生にもわかる言葉」を選ぶときのコツについて紹介します。

熟語やむずかしい言葉は、平易な言葉に置き換える

「熟語やむずかしい言葉は、平易な言葉に置き換える」を心がけてみてください。

 熟語は便利ですが、聞き手に負荷がかかります。
 短い語数で特定の概念を伝えられる点はいいのですが、難しい言葉だと、意味を考えることに集中してしまって、聞き手の注意がそれてしまう可能性が高くなります。できるだけ、別のやさしい言葉に言い換えましょう。

 たとえば「行動変容」という言葉を使うときは、聞き手の頭に漢字が浮かぶまでの時間を考えて、ゆっくりと大きく発音する必要があります。また話し手の滑舌も明瞭でないと、なかなか伝わりません。

 ここで言葉を言い換えて、「行動を変える」「行動が変わる」などの話し言葉にすれば、意識せずに発音しても聞き手はすんなりと理解することができます。

(本記事は、『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)