経済効率から見たら
7NOWの自社配送網は非効率な可能性も
そして3つめがデリバリーインフラの拡大です。
セブンは7NOWで自前のデリバリー網を構築しようとしていますが、経済効率から考えたらウーバーイーツなど既存のインフラを使ったほうが本来は効率的なはずです。
なぜなら、消費者のすぐに手に入れたいというニーズが発生するタイミングが偶発的だからです。それに対応するのには自前の配送網よりも、もっと大きな需要を相手にスタンバイしている既存のデリバリーインフラの方が稼働率が効率的になるのです。
私の個人的経験ではアプリで注文をした際に、7NOWよりもウーバーイーツが早く届きました。これはたまたまだとは思いますが、この先、コンビニデリバリー需要が増えていくとピーク時間帯中心にウーバーイーツのような供給力の大きい外部インフラを活用したほうが平均のデリバリー時間は短くなる可能性があります。実際、7NOWも昨年10月から配送の一部をウーバーダイレクトに委託を始めました。
ただその場合、ウーバーイーツの35%のようにインフラ側に支払う手数料が膨らむという課題が出てきます。ローソンではウーバーイーツだけでなく、出前館、Wolt、menuなど多数のデリバリーインフラを活用しています。
これは裏返せば競争が発生することを意味するので、将来的にはこの手数料問題は消費者から見てもより合理的な金額の範囲内に収束していくのではないでしょうか。
さて、話をまとめます。忙しくて外出もできずコンビニにすら出かけられない。そんなことが日常的におきてしまう都会の生活では、コンビニデリバリーは新しいタイプの救世主となるかもしれません。
価格が割高なことから今はまだ市場の一部のニーズでしかないとしても、それを必要とするひとたちは一定数存在します。そのニーズに合わせるためのイノベーションも徐々に準備ができてきました。
結論としては、コンビニデリバリー市場はこれからゆっくりと拡大していくことが予想できそうです。