一人じゃ成し遂げられないからこそ、仲間を巻き込もう

 小澤さんは、なぜ一人ではなく、仲間とプロジェクトをされるのでしょうか。

小澤 その理由は、3つあります。1つは必然性です。僕一人では絶対にできません。たとえばインターネットにおいては、僕はプログラミングができないから、プログラミングできる人が一緒に戦ってくれないとダメ。なのにITをやると決めていたから、絶対に仲間が必要だったんです。法律にしても財務や経理にしても、僕はスペシャリストではないからわからない。デザインもできない。ほとんどのことが僕にはできないから、できる人とやらなければいけない。そう思うと、そもそも仲間がいないとできないという必然性に辿り着きます。

 2つ目は、僕は下手だったけれども野球をやったりしていて、チームワークが発揮されたときの喜びを知っていたからです。僕は補欠だったけど、声を出したら褒められるといったことを通して、チームワークの楽しさや仲間から承認される喜びを体感していました。

 3つ目は、そもそも一人で成功したことがないんです。たとえば絵や作文などですごく評価されたことはありませんが、クラス会や文化祭など、仲間でプロジェクトをやったときは常に優勝してきた。チームをつくってやったときのほうが明らかに評価されたんですね。

 このように、僕が何かを成し遂げるには、誰か優秀な人たちとの組み合わせが必須なんです。僕はその仲間を集めたり、コーディネートをしたりする部分に関して直感的なものを持っていた。いまは経験を積んできたから、仕組化してうまくやれるようになりつつありますが、当初は「仲間がいたほうがうまくいく」という本能でやってきたのだと思います。

→次回は、南氏が小澤氏と出会った「楽天イーグルス」の創業期のお話です。お楽しみに!(4月9日更新予定です)


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