頭をよくするためには何をすればいいのか? 思考力がある人は普段どんなことをしているのか? こんな疑問を『「思考」が整う東大ノート。』の著者であり、現役東大生の西岡壱誠さんに聞いてみました。
東大の入試問題と聞くと、答えを聞いても理解できないような難問をイメージする人もいるのではないでしょうか? しかし、本記事でご紹介する東大の問題は、答えを聞けば、誰でも納得できるもの。そして、「知識」ではなく答えにいたるまでの「思考力」が問われる問題です。皆さんもぜひチャレンジしてみてください。

東大ノート術Photo: Adobe Stock

東大の問題を見てみよう

 日本で一番ブルーベリーを生産している都道府県は、実は東京都です。

 言うまでもなく東京って、人がいっぱいいて、農業のイメージなんてほとんどありませんよね。

 でも、東京は日本で一番、ブルーベリーが収穫されているのです。2015年に、30年間トップだった長野県を抜いて、東京がブルーベリー収穫量のトップに躍り出たのです。

 これを題材にして、東大の2022年の地理の入試でこんな問題が出されました。面白いですよね。

ブルーベリーの収穫量第1位は東京都である。東京都でブルーベリーの栽培が盛んな理由を1行で説明せよ。

【解説】なぜ東京都がトップなのか?

 東大はこのように、日常生活にまつわる問題を、数多く出題しています。この問題もその1つだったのです。

 さて、なぜ東京都がブルーベリーの生産日本一なのかを考える時にヒントになるのは、農家さんの儲け方です。

 実はブルーベリー農家さんたちは、ブルーベリーの生産以外にも、意外なことをしてお金を稼いでいます。

 それは、「観光農園」です。

 ブルーベリー刈り・ブルーベリーの収穫体験を、観光農園として実施しているのです。女性や家族連れで収穫体験ができ、農園によっては「獲った分を食べ放題」というツアーも組まれています。

 また、東京という場所は人口が多く、お客さんが集まりやすいので、観光農園が作りやすいのです。東京に住んでいる人の中には、観光農園を見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。

 別の要因として、東京には喫茶店が多く、ブルーベリーを使ったケーキやクレープなどを食べる人が多いため、他の都道府県よりもブルーベリーの需要があると考えることができます。

 ブルーベリーは、場所的な制約があまりない農作物です。暑いところだとダメだとか、寒いところだとあまり作れないとか、そういうことがあまりないのです。

 だからこそ、需要がある場所で生産されることが多く、東京はその条件に合致していると考えることができます。

 このように、自分の住んでいる地域のことや身の回りのことを題材にした面白い問いは、知的好奇心を満たしてくれて、頭をよくしてくれるものです。

 みなさんもぜひ、参考にしてみてください。