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※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
痛い人とは?
今日は「自分の痛さを愛そう」というテーマでお話したいと思います。
「痛い人」という表現がありますが、これは基本的に「世間の常識からずれている人」のことを指します。
さらに「もし自分がその人だったら、恥ずかしくて耐えられない」と思う人のことでもあります。
過去の痛さは“黒歴史”?
しかし、誰しも自分の過去を振り返れば、「あれは、痛かった……」と恥じ入る経験が1つや2つあるはずです。
自分では「イケてる」と思って、いま考えればダサいファッションを装ったり、恥ずかしいという自覚もなくみっともない行動をしたり……。
ある意味、自分の「痛さ」は、“黒歴史”のように考えたくもなります。
“痛い経験”は当然のこと
でも、経験が少なければ少ないほど、常識が身についていないので、痛い経験をするのは当然のこと。
痛いかどうかの判断基準は、世間の常識に基づいていますが、その常識は時代によっても変わります。
だから、知らずにズレたことをしたとしても、それは一概に「おかしい」ことではないのです。
積極的に笑い話に
その痛さを理解できるのは、自分自身だけ。過去の痛い経験を恥じるよりも、積極的に笑い話のようにして語ったほうが健全で、自己肯定感も高まります。
自分の痛さを愛することは、自分にしかできないのです。いまの自分にも痛い部分があるかもしれません。
しかし、気づいたら自分が納得できる範囲で直せばいいだけ。もし自分が納得できなければ、周りから痛いと思われたとしても、変える必要はありません。
否定せず、受け入れる
自分の痛さを否定するのではなく、受け入れることが大切なのです。痛さも自分らしさの一部なのですから。
話題となった俳優・阿部サダヲさん主演のドラマ『不適切にもほどがある!』では、“昭和の痛い常識”をコミカルに描いて大きな反響を得ました。
令和の常識からすると、昭和の常識は問題だらけだったわけですが、当時は問題視されず、常識だったわけです。
闇に閉ざさず、愛でる
そう考えれば、歴史をもってしても、いろいろと試行錯誤しながら成長していくのです。
つまり、痛さも人間にとって必要なもの。それを闇に閉ざすのではなく、愛でる。そうすれば、自分自身を肯定的に受け入れられるはずです。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。