第二に、運動には、太っている人に特に減量効果があります。

 第三は、血圧が低くなります。高血圧や脂質異常症が改善されます。すなわち、生活習慣病を改善することができる。運動すると骨に力がかかるので骨粗鬆症の予防にもなります。また同時に、筋肉の萎縮を防ぐことができる。良いことばかりですね。

 一番良いことは、元気になることです。どういうことかというと、心肺能力が高まり、運動能力が伸びるとともにメンタルの状態も良くなります。非常に活動的な気分になって、日常生活の質(QOL)を高める効果も期待できるのです。良いことばかりですので、運動習慣をぜひ付けるようにしてください。

 運動すると、何が基本的に向上するかというと、運動しない一般の成人に比べて最大酸素摂取量が多くなります。最大酸素摂取量というのは、人間の基礎的な体力、基礎代謝量に関係するのです。酸素を使う能力が高くなるということは、エネルギーをたくさん蓄積できることになります。結果的に体力が上がるのです。

骨を強くするための
1日あたりの運動量の目安とは?

 では、一般的にどれくらい運動をしなければいけないか。運動は一生かかって皆さんがやるべきことなのです。運動の指標としては、息が苦しくない程度の運動、すなわち最大酸素摂取量の半分くらいの運動を、できれば週に3日、本当は毎日30分から60分くらい続けてほしいと厚生労働省が言っているのです。具体的には、速歩きか軽いジョギングを大体、毎日1時間くらいできると一番良い。それができない場合の目安として、男性9200歩、女性8300歩を目標にしてくださいということです。

 しかしこれがなかなか難しいのです。これだけでいいかというと、アメリカだともっと違います。アメリカではプラスアルファ30分の筋トレを週2回やりなさい、と言われています。筋トレの効果は目に見えて出るのです。運動すると平均寿命の延長も認められています。