彼女の言うとおり。ガス欠のような状態では、どうやったところで挑戦する気など起きない。エネルギーが切れていれば頭もまわらず、「ノー」と言える勇気も、新しいことに挑戦する勇気も湧いてこない。少なくともわたしは、ヘトヘトに疲れているときに面倒なことなんか引き受けたくない。そんなときにやりたいのは、ゆったりした部屋着に着替えて、さっと髪をまとめ、コンタクトを外してダサいメガネをかけ、ソファに寝そべって、何も考えずにネットフリックスの世界に逃げこむことだ。ぐったりするほどの疲労は、あっという間に勇気を奪っていく。

 勇気を出していつもの快適な空間から出るには、精神力だけでなく、肉体的なエネルギーやスタミナや持久力が欠かせない。そう、勇気を育てるのに何よりまず大事なのは、心と体の健康だ。というわけで、エネルギーを蓄える生活の基本をあげておこう。

●自分の健康を優先する

 リアンナは、病院に行く時間がないからと、つらい鼻炎を4日もそのままにしていた。愛犬が急に吐いたときには、すべてを放り出して病院へ連れていったのに。自分のケアを脇に押しやっている人が多いのは理解に苦しむ。その結果、多くの人が自己免疫疾患や腰痛、うつ病、さらにはもっとひどい状況になって苦しんでいる。もしかして、あなたも?

「やめる」と言うのは勇気がいる。でも、相手をがっかりさせたくないばかりに、大風邪を引いているのに会社に行ったり友だちに会ったりするのはもうやめよう。他の人の予定に合わせるために、自分のトレーニングの計画や病院の予約を犠牲にするのはもうやめよう。子どもの肩にできた気になるあざも、親友が忙しさを理由にマンモグラフィの予定を先延ばしにしようとしているのも、放ってはおかないはず。だったら、自分の健康も放っておくのはやめよう。自分の健康を優先するのは勇気をもつための第一歩、と覚えておいて。