米国の富裕層の間では、自国以外の海外資産を組み入れるグローバル投資の動きが、以前にも増して加速しているという。日本と海外の投資・経済を知り尽くした金融マン待望の初著書『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)では、富裕層がやっている国際分散投資を、一般の個人投資家に向けてわかりやすく解説! 投資バランスは「保守:積極:超積極=5:3:2」、1銘柄の投資額は資産全体の4%以内で、資産全体の2割は現金買付余力に――など、「これならできそう」「続けられそう」と思えるグローバル投資の秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、グローバル投資の極意をわかりやすく伝授する。

株で稼ぐ人は知っている! 英国スナク首相夫人に関連する「世界的大手IT銘柄」Photo: Adobe Stock

おすすめ銘柄トップ10

グローバル投資におすすめしたい銘柄トップ10を紹介したいと思います(グローバル投資でおよそ半分を占める米国株については、すでに多くの情報がメディアにあふれており、本書の主旨からも外れますので割愛します)。

トップ10銘柄のセクターはさまざまですが、いずれもこれからの世界の経済と社会でますます重要になる「2大テーマ」(社会的インフラ・格差社会)に関わっているという共通点があります。

おすすめ銘柄⑤
世界のIT企業を支える
インドの若い力

銘柄名 インフォシス(INFY)

コンサルティング・テクノロジー・アウトソーシング・次世代デジタルサービスの会社
金融サービス・保険、製造業、小売り・消費者製品・物流、エネルギー、公益事業、資源・サービス、コミュニケーション、テレコムOEM・メディア、ハイテク、ライフサイエンス・ヘルスケアなどの事業を行う。中心的な事業には、アプリケーション管理、独自のアプリケーション開発、独立した検証ソリューション、製品エンジニアリングと管理、インフラストラクチャ管理、従来のエンタープライズアプリケーションの実装・サポートと統合サービス。

インフォシスは、インドが誇る世界トップクラスのソフトウェア企業です。

創業は1981年ですが、1999年にはインド企業で初めて米ナスダックへの上場を果たしました。

余談ですが、英国のリシ・スナク首相の妻アクシャタ・マーシーさんは、インフォシスの共同創業者ナラヤナ・マーシーさんの娘として知られています。

英語話者が多く
理数系能力が高いインド

インドの人口は2023年、14億2000万人を超え、中国をしのぎ世界一となりました。

日本と対照的に若者の人口比が高い国であり(日本の平均年齢は48.4歳、インドは28.4歳で20歳も若い[2020年時点])、過去に英国が植民地支配していた関係で英語ができる人も多く、プログラミングなどの理数系の能力が高い傾向もあります。

IT化に不可欠なSE(システムエンジニア)は世界的に人材不足。日本でも、それなりに力のあるSEを雇うには、年収1000万円くらいは用意しないと難しいようです。

知らない間にインフォシスの
ソフトを使っているかも?

世界的なIT人材の不足を補うために、インフォシスはインドという国の特性を生かし、世界中のクライアントのニーズに応えているのです。

日本の個人投資家には耳なじみの薄い銘柄かもしれませんが、そんな人でも知らない間にインフォシスのソフトウェアを使っているかもしれません。

iPhoneの中身を日本企業や韓国企業が担っているように、インフォシスはソフトウェアのなかで動くビジネスアプリケーションをOEM(相手先ブランドでの生産)的につくっているからです。

インドでバックオフィス
を構築する動きが増える

IT化が進むにつれて、世界中の企業がIT分野のバックオフィス(間接部門)機能を、インフォシスのようなインド企業に依頼するケースが増えるでしょう。

なかでもインフォシスは、日本を含めた世界各国に拠点を置き、ソフトウェアをつくった後のメンテナンスやアフターサービス、作業のアウトソーシングなどをBTO(ビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング)的に低コストで請け負っています

類似のグローバル企業には、独SAP(SAP)もありますが、彼らはインフォシスのようにOEM的なビジネスモデルは展開していません。

最先端の屋台骨を支える
“縁の下の力持ち”

量子コンピュータのような最先端のIT分野では、IBM(IBM)のような米国企業に一日の長があります。

しかしながら、最先端の屋台骨を支える“縁の下の力持ち”的な存在はいつの時代も必要であり、そのなかでインフォシスは独自の存在感を発揮し続ける企業として高く評価できると考えています。

※投資は自己責任で行ってください。本書をもとにした損害等について、出版社・著者は一切の責任を負いません。また、実際の取引に関することは、取引先の金融機関や証券会社にお問い合わせください。

※本稿は、『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。