そこでこの習慣を改善するために、朝一番に洗濯をすることにした。ToDoリストからこの項目を消すと気分がとてもよくなった。また、リストのほかの項目は洗濯よりずっと簡単――少なくとも、より楽しい――と感じた。

 作家のマーク・トウェインはこの習慣を「カエルを食べること」と呼んでいた。彼は「もしカエルを食べることが仕事なら、それを朝一番にやり遂げるのが最善の策だ」と言っている。

 トウェインは楽しそうではない課題を「カエル」と呼んでいた。興味がわかない課題のことで、しっかり対処するまで暗雲のように目の前に漂い続ける。それを先延ばしにすればするほど、より多くのストレスを感じる。

「カエルを食べること」を後回しにしたいと思うのは当然のことだ。できれば一日の終わりに対処したいと思っていることだろう。だが、それは最悪の対処策だ。長引いてストレスの原因になるばかりか、それに対処するエネルギーが減ってしまう。その結果、取りかかるのがますます困難になり、結局、翌日まで先延ばしにしやすい。

 だから、「カエル」にはできるだけ早く対処する必要がある。さっさとそれを片づけてしまおう。そうすると驚くほど気分がよくなるはずだ。それは達成感を与えてくれるし、そのあとの時間を快適に過ごすことができる。

 では、もし複数の困難な課題がToDoリストに含まれていたらどうしたらいいか?その場合、マーク・トウェインのもうひとつのアドバイスを実行することをおすすめしたい。

「2匹のカエルを食べることが仕事なら、より大きいほうを先に食べるのが最善の策だ」

 カエルのうちの一方は他方より興味がわかないはずだ。まずそれを片づけよう。そしてその直後にもう一方のカエルに対処すればいい。

 たとえば、前述のとおり私は洗濯が大嫌いだが、浴室の掃除もどちらかと言うと嫌いだ。大切なのは、どちらがより嫌いかということだ。もしふたつの課題がToDoリストにあれば、私はまず洗濯をすませる。

とりあえず10分間
第一歩を踏み出してみる

 課題はたいてい実際より面倒なものに感じられるが、困難そうな雰囲気は幻影にすぎない。つまり、それは私たちの想像の産物なのだ。

 私の経験では、最大の試練は、困難そうに感じられる課題をやり遂げることではなく、それに取りかかることである。いったん取りかかりさえすれば、どんなに面倒な課題でも続けることは簡単になる。