従来は空港にたむろしていた怪しい客引きもなくなりました。昔に比べて圧倒的にスムーズに、目的地への移動だけに最適化したサービスを購入することができるのです。

「ウーバリゼーション」は
革命的な未来の雇用形態

 日本ではウーバー設立から10年以上たった今(2023年)までウーバー(Uber,Didi,Lift,Boltなどを含むライドシェア全体)が事実上禁止されてきました。タクシー会社の配車アプリに矮小化された結果、従来電話でタクシーを呼んでいたものをアプリに代えただけのことで、何が本当に新しいのか、ライドシェアの核心が理解されません。

 ライドシェアにより世界に起きている革命的な変化を理解するためには、次の2つを理解する必要があります。

ウーバー革命の核心その1:働き方改革

 ウーバーが可能にしたものとは、働き方の自由です。好きな時に好きな場所で好きな時間だけ働く、ということが可能になったのです。

 採用慣行や一定の場所への定時出勤の有無、固定勤務時間制にとらわれず報酬を提供することができる、という方向へ社会への変革を後押しするもので、この革命的な変化は「ウーバリゼーション」と呼ばれています。

 これはつまり、社会構造の変化であり、未来の雇用形態への進化ということになります。

 ウーバリゼーションは新しい雇用形態を創出することで社会構造の進化をもたらすものです。

 これによる社会へのインパクトは不可逆的・永続的なものになるでしょう。働き方の自由をより身近な例で言うなら、たとえばニセコのようなスキーリゾートで、外国人客が殺到し価格が高くなる冬の時期だけライドシェアの運転をし、普段は農業を行うというようなライフスタイルが可能となります。

 そのようなフレキシブルな働き方を許容することで、今、日本中の観光地で起こっているピーク時の人手不足は解決するでしょう。