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※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【精神科医が指南】頑張れば頑張るほどうまくいかない人、自然体ですんなりうまくいく人の「決定的な違い」Photo: Adobe Stock

納得感の高まる生き方

今日は、「自分軸」について話したいと思います。自分軸とは、自分が納得して判断し、自分のやりたいように生きることを意味します。

こういうとよく「それは自分勝手なエゴではないか」と指摘されることがあります。しかし、じつは正反対なのです。

自分軸というのは、自分の人生を主体的に生きるための基本姿勢であり、これを実践すると、納得感が高まり、後悔することが少なくなります。

他人の評価を
気にする生き方

これは自分軸の対義語である「他人軸」について考えてみるとわかりやすいです。

他人軸は、物ごとの判断基準が自分にはなく、他人からどう思われるか、どう評価されるかを気にする生き方です。他人の目を意識して、判断基準を他人に委ねる生き方ともいえます。

自分では他人の評価をコントロールできませんから、つねに周囲の人の反応を気にしなければなりません。

自分では決められない
ことに振り回される

自分は「嫌われていないか」「評価されているか」と、自分ではコントロールできないことについて、延々と気にし続けているわけです。

そうすると当然、心が落ち着きません。自分に判断基準がないのですから、自分のやりたいことさえわからなくなってきて、日々が楽しくなくなるのです。

「うまくいかない」「つまらない」「充実していない」と悩んでいる人は、そもそも無意識に他人軸で生きていることが原因かもしれません。

じつは他人軸のほうがエゴ

さて、冒頭で自分軸とは「それは自分勝手なエゴではないか」と指摘されることがあるといいましたが、じつは他人軸のほうが自分勝手なエゴなのです。

他人からどう思われるかを気にしているのは、結局は自分がどう思われるかを気にしていること。これこそがエゴですよね。

自分がどうしたいかを決めることは、エゴではありません。当たり前のことなのです。

愛が育まれないワケ

恋愛は、わかりやすい例です。最初は、相手に嫌われたくないので、嫌われないように自分を演じようとしがちです。

しかし、関係が深まると、それだけではうまくいきません。相手に合わせすぎて疲れたり、細かいストレスが蓄積して喧嘩したりして、本当の愛情が育まれないのです。

なぜかといえば、相手に尽くしているつもりでも、相手に嫌われたくないというエゴが中心にあるからです。相手にとって都合のよい人にはなっても、都合が悪くなれば関係は終わってしまいます。

幸せな人生への鍵

相手にどう思われるかではなく、相手のことが好きだからこうしてあげたいと思う。それが本当の愛情です。お互いにそれができたとき、関係は長続きするのです。

だから、「私はあの人のことが好きだからこうします。大事にしたいです」と思えるのが自分軸。相手からどう思われるかは二の次です。

自分軸は決して自分勝手ではありません。むしろ逆であることが、おわかりいただけたと思います。どんどん自分で納得して、自分らしい人生を歩んでいって構いません。自分軸こそが、幸せな人生への鍵なのですから。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。