「他人からどう見られるか」をやめてSNSから距離を置こう
日本のSNSでは、おしゃれな食べ物やブランド品など、キラキラした私生活を公開している人が多い。明らかに「他人からどう見られるか」を意識した行動だ。
そういう人を見ると、私は「本当は不幸なんじゃないか?」と勘繰ってしまう。充実した幸せな人生を送っていたら、人の目なんて気にしないはずだ。
私の知る成功者たちは、そもそもSNSをほとんどしない。まず彼らには暇がない。自慢して反感を買っても仕方ない。加えて、金持ちであるように見えることは、わざわざ敵を増やし、犯罪の対象になりかねない、リスクを増やしているのだ。
田村耕太郎 (著)
定価1,201円
(朝日新聞出版)
自分のビジネスや家族との人生で頭がいっぱいなので、他人の生活に興味がないし、他人の目も気にしない。だから大金持ちのくせに、いつもTシャツと短パンというラフな服装でいたりする(シンガポールのような南国ならなおさらだ)。金持ちに見えていいことは一つもないことを本当の金持ちは知っている。
そんな姿で、たとえば高級ホテルの中を歩いていると、日本なら白い眼で見られることもあるだろう。だとしても、彼らはまったく気にしない。「他人の基準」で生きていないからだ。
他人の基準ではなく、自分の基準で生きられるから、シンガポールは居心地がいいのだ。
もしあなたが他人からバカにされたとしても、相手はどうせすぐ忘れる。他人の基準で生きるなんてバカらしいことは、やめたほうがいい。
どうしても他人が気になるという人は、まずSNSから少し距離を置こう。それが「自分の基準」を取り戻す第一歩だ。自分の人生を生きられないとても不幸なことなのだ。
(構成:伊藤あゆみ)
国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数
※AERA dot.より転載