円安で輸入品を「1.6倍割高」で買う日本、インフレ鈍化でも“家計窮乏化”は続く!?Photo:PIXTA

4月の消費者物価上昇率2.2%
2カ月連続鈍化だが、本物か?

 総務省が5月24日に公表した4月のCPI(消費者物価指数)は、総合で前年比2.5%の伸び率で、3月(前年比2.7%)に続いて前月から鈍化。生鮮食品を除くコアCPIも前年比2.2%と、3月(同2.6%)に続き伸び率は2カ月連続で鈍化した。

 コアCPIの上昇は32カ月連続だが、上昇率は2023年1月に4.2%に達した後、3%台を経て23年9月からは2%台が続いている。

 歴史的な物価高は収まりつつあるのかどうか。おそらく、5月以降は、電気・ガス代の値上げもあって、再び伸び率が高まるだろう。また、夏場以降には円安によって輸入物価が再びプラス幅を拡大させる公算が高い。追加的に判明する新しい情報によって、物価見通しは随時、上方修正されていくとみられる。

 事前の予想を上回って物価の実績が上方修正されることは、21年ごろからずっと続いている。ピークアウトしたと思っても、さまざまな要因が追加的に起こって、インフレ傾向はなかなか解消されない。今後も消費者物価の上昇率は2~3%で当面、推移しそうだ。

 だがこれは政府や日本銀行が掲げる賃金や物価、景気の「好循環」とは異なる可能性がある。