「50歳の平社員」より「30歳の平社員」に多く給料を支払うべき、当然の理由とは?
それを語るのは、これまで4000社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「もう誰も言ってくれないことがここに書いてある」と話題の著書『リーダーの仮面』では、メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理などで悩むリーダーたちに「判断軸」を授けている。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、注目のマネジメントスキルを解説する。(構成/種岡 健)
「給料が年功序列」という悪しき文化
会社組織で働いているとしましょう。
入社後、仕事を覚えて成果を出すと、部下やスタッフを持ち、これまでの仕事とは異なる能力が必要になります。
それが、「マネジメント能力」です。
こういう話をすると、こんな反論がきます。
「自分は平社員としてずっとプレーヤーとして生きていくからいいんです」
最近は、「出世には興味がありません」と宣言する人も増えているそうです。
その根底には、「年功序列で給料が決まる」という悪しき文化があります。
平社員として、30歳、40歳、50歳になっていくと、右肩上がりに給料が上がっていく。
だから、別に出世する必要もないし、今の仕事も頑張る必要がない。
そう考えるのも当然でしょう。
「50歳」より「30歳」
しかし、想像力を働かせてみてください。
出世しない限り、多くの仕事において、プレーヤーとしての能力は、30代をピークに、年をとるごとに落ちていきます。
もし、出世してマネジメントをやるのであれば、これまでの経験が歳をとるごとに活きてきます。しかし、プレーヤーはそうではない。
健康な体を保ち、自分磨きをしたとしても、家庭を持って子育てをし、シンプルに体力も落ちていく。
そんな50歳の平社員が、20~30代の若手と同じ位置でパフォーマンスをあげることができるでしょうか。
まあ、無理でしょう。
だったら、成果に応じて給料を支払うべきだと思います。
50歳より30歳のほうが成果を出し、この先、優秀なマネジメント層になっていく可能性があるわけです。
だったら、30歳のほうに多めの給料を支払うのは当然でしょう。
出世しないと逆にツラくなってくる現実にも目を向けるべきです。
もし、その自信がないのであれば、必ずどこかで「マネジメント能力」を身につけなくてはなりません。
早く成果を出し、「リーダーの仮面」をかぶるようにする。
ちょっとした考え方を身につけ、頭を切り替えるだけでよいのです。
ポイントを押さえた声がけやルール設定、評価をし、メンバーが最終的にちゃんと成長する。
いいリーダーの言葉は『時間差』で遅れて効いてくるということです。
ちゃんとポイントさえ押さえれば、部下を成長させ、結果を出すリーダーになることができるのです。
(本稿は、『リーダーの仮面』より一部を抜粋・編集したものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモ、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)を経て、ジェイコム株式会社にて取締役営業副本部長を歴任。2013年、「識学」という考え方に出会い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11ヵ月でマザーズ上場を果たす。2024年4月現在、約4000社の導入実績がある。主な著書に『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』のシリーズ(いずれもダイヤモンド社)がある。