部下が目標未達だったとき、「超優秀な上司」は何と言うか。
それを語るのは、これまで4000社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「もう誰も言ってくれないことがここに書いてある」と話題の著書『リーダーの仮面』では、メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理などで悩むリーダーたちに「判断軸」を授けている。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、注目のマネジメントスキルを解説する。(構成/種岡 健)

部下が目標未達だったとき、「超優秀な上司」は何と言う?Photo: Adobe Stock

ちゃんと評価ができているか?

 あなたは、ちゃんと評価面談ができているでしょうか。

 たとえば、次のように仕事を任せるケースを考えましょう。

「営業先を1日3件回ってほしい」

 さて、どのように仕事を任せればいいでしょうか。
 まず、「お願い」にならないように気をつけるのがポイントです。

×「もし行けたら、3件、回ってくれないかな?」
×「3件回れるかな。終わったら今度ご馳走するから」

 このように、相手に決めさせる言い方や、ごほうびでやる気を上げようとする行為は絶対にNGです

○「1日で3件、営業先を回ってください」

 と、言い切って仕事を任せましょう。それと同時に「締め切り」を設定します。

○「できたかどうか、翌日の10時までに報告してください」

 ちゃんと報告が上がってくるように、指示しておきましょう。

未達だったとき、何と言う?

 さて、部下から次のように報告があったとします。

「すみません、2件しか回れませんでした」

 このように、できなかったとき、どのように評価すべきでしょうか。

×「なんでできなかったんだ。ダメじゃないか!」

 と、感情による評価をしてはいけないのは当然でしょう。
 じゃあ、どう言うべきか。

○「未達ですね。次からはどうしますか?」

 と、できていない事実をただ指摘するイメージです。

 このように感情によらないほうれんそうをしておくと、チーム全体の仕事のスピードが増していきます

 すぐ動く、すぐ報告する、すぐ考える、すぐ修正する。
 そうやって部下の成長スピードが速まるのです。

 大事なのは、「未達」だったことの言い訳を考えさせないことです

 とにかく、次の改善点を考えてもらう。
 そこに素早く目を向けさせるのが、優秀なリーダーの役割なのです。

(本稿は、『リーダーの仮面』より一部を抜粋・編集したものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモ、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)を経て、ジェイコム株式会社にて取締役営業副本部長を歴任。2013年、「識学」という考え方に出会い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11ヵ月でマザーズ上場を果たす。2024年4月現在、約4000社の導入実績がある。主な著書に『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』のシリーズ(いずれもダイヤモンド社)がある。