日本旅行が人気なのは
「安い」「コスパがいい」から
コロナ禍による海外との往来が規制されていた時期には、韓国では済州島が旅行先として人気を集めていた。しかし済州島は韓国の観光地の中でも特に物価が高いこともあり、規制が完全に緩和された後は、再び、海外旅行の人気が回復している。海外旅行先の中でも特に人気なのが日本旅行だ。「日本が好き」という理由で旅行をする人も多いが、やはり、韓国と比較して「物価が安い」「安くてもハズレがない」といった「コスパの良さ」が、日本旅行人気につながっている。
筆者が学生だった30年前、海外旅行も留学も一般的なサラリーマンの家庭でも手が届くものだった。しかし、現在の円安の状況を見れば、今後は娯楽や教育もますます「できる人」と「できない人」の格差が広がるだろう。「日本は物価が安い」ということばかり強調されるのは、韓国で暮らす日本人としては複雑であり、手放しで喜べることではない。
物価高も円安も、今後どうなるのか先が見えず、すぐには終わりそうにない。この状態がいつまで続くか分からない中、「どこの国が暮らしやすい」とは言えず、こうした時代をどのように生きていくか、真剣に考えなければならないと改めて考えさせられた。