AIが崩す「日本語の壁」、外国人に日本人が淘汰される悲劇伊藤羊一氏(写真左)、尾原和啓氏(写真中央、撮影は千川修)、澤円氏(写真右)

武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長/Musashino Valley 代表/LINEヤフーアカデミア 学長の伊藤羊一氏と、IT批評家の尾原和啓氏との共著『努力革命』が5月22日に発売され、注目を集めている。本の発売を記念して行われた、元・日本マイクロソフト株式会社業務執行役員で株式会社圓窓代表の澤円氏と、『努力革命』の著者である伊藤羊一氏、尾原和啓氏の鼎談中編。「石橋を叩いて渡らない」日本の“お家芸”は、どんな弊害をもたらすのか?

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「努力革命」で企業の成長格差が広がる

尾原和啓氏(以下、尾原):「努力革命」による成長格差って、日本だと個人よりも企業のほうに反映されやすいのかもしれない。これって、本質的な話ですよね。

伊藤羊一氏(以下、伊藤):本質的だよね。

澤円氏(以下、澤):個人レベルでAIを使いこなせる人が増えれば増えるほど、生産性は「べき乗(累乗)」で増えていきます。

 AIを当たり前のように使う人が圧倒的に多い集合体と、「誰かがやってくれるだろう」と思う人が多い集合体だと、すさまじい差が出ちゃうんですよね。ちょっとやそっとの差じゃなくて、年単位の差が最初の段階で生まれます。

尾原:そうですね。何かツールを開発する時に、ChatGPTは開発との相性がめちゃくちゃいいので、開発効率が少なくとも3割は向上します。会社の中にいる「個人」も、やろうと思えば事務作業を効率化できますものね。