例えば、楽天市場の店舗の方は、顧客レビューの一つひとつにコメントを返したくても時間が足りません。でも、「こういう方向性でレビューに対するリプライを書いてください。礼儀正しい文章でお願いします」とChatGPTに指示すれば、返信を作成してくれます。そうすれば、一人ひとりが業務を効率化できるんですよね。
澤:そうですね。個人レベルで本当に大きな差が出てくるので、使わない手はないんです。
講演会で、僕が必ずしていた質問があって。「ChatGPTのアプリを見たことがある人」と聞くと、そこそこ手が挙がるんですけど、「アプリを入れている人」と聞くと、けっこう手が下がるんですね。「課金している人」と聞くと、1パーセントもいないんですよ。
AI関連のカンファレンスだと、100パーセント手が挙がることもあります。でも、一般ビジネスパーソン向けの講演や社内の勉強会だと、本当に1パーセントくらいです。300人の会場で、1〜2人しか手が挙がらなかった時は、ものすごくショックだったんですよね。
尾原:そうですよね。個人がそれぞれ工夫するだけで、3〜4割の業務効率化が図れます。先ほど「累乗」と言われたように、仕事は言葉のリレーで、誰かからお願いされた仕事が他の誰かにつながっていくものです。
だから、上流から下流まで自動化・効率化を進めれば、掛け算でどんどん効率化されていきます。それが構造的に起きにくいのは、すごくもったいないですよね。