でも、それは当然です。溜まったストレスがはけ口をなくして行き場がなくなり、自分のなかに蓄積されてしまうのですから。

 まして、すでに仕事のストレスでメンタルが失調気味であれば、買い物を我慢しただけで悲しくなってしまったり、イライラが自分に向かって自己嫌悪になったり、体に不調が現れてしまったりすることもあるかもしれません。

 これでは、「節約」という行為が「苦痛」なものだということを、自分の心と体に刻むばかりで、その先にある貯金やお金の不安解消にはたどり着けません。

 最良の手段は、日常的なストレスを、できる限りなくすことです。

 わたしの場合は転職がその一助となりました。すべてのストレスがきれいさっぱりなくなったわけではありませんが、少なくとも理不尽な残業や、人間関係のモヤモヤ、そしてセクハラやパワハラなどもなくなり、ストレスの総量が一気に下がっていったのです。

 心に余裕ができればストレスコーピングの必要性は少なくなるので、浪費習慣をストップして節約生活をはじめても持続しやすいことを、身をもって経験することができました。

 節約生活が習慣化すれば、「なにかを我慢するのがつらい」といった思考に陥ることもなくなっていきます。