疑問に思ったことをメモする意味

「知性」と「信頼」を兼ね備えた一流の人が人の話を聞きながらメモしていたこと、

 それは疑問に思ったことだった。

 みなさんは、人の話を聞いている時、疑問に思ったことをすぐ質問していないだろうか?

 中には矢継ぎ早にどんどん質問していく、それが頭のいい人の話の聞き方だと思っている人がいる。

 しかし、それでは相手の話を遮ってしまう。

 頭がよくて周りから信頼されている人は、話が上手い人ではない、人に話させるのが上手い人だ。

 コンサルタントとしても「9割相手に話させろ」と教わった。

 ではなぜ、疑問に思ったことをメモするのか。

 それは疑問に思ったことを忘れないためだ。

 そして、相手が十分話し終わってから、疑問に思っていたことを質問する。

 疑問に思ったことを忘れないうちにすぐに質問するのではなく、

 疑問に思ったことを忘れないようにメモをし、

 相手が十分に話し終わったら、質問をする。

 これが「知性」と「信頼」を兼ね備えた頭のいい人に共通する、賢いふるまいと言えるだろう。

(本記事は『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者による書き下ろし記事です。)

安達裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役
1975年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了後、理系研究職の道を諦め、給料が少し高いという理由でデロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事し、その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立。現在はマーケティング会社「ティネクト株式会社」の経営者として、コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行う。また、個人ブログとして始めた「Books&Apps」が“本質的でためになる”と話題になり、今では累計1億2000万PVを誇る知る人ぞ知るビジネスメディアに。Twitter:@Books_Apps