30代で年収2000万円も!現役コンサル&経験者が明かす「給料の実額」「転職して待遇は?」Photo:Shannon Fagan/gettyimages

日系の大企業に長く勤めるより、とりあえずコンサルへ――。就活生の間で昨今の常識が一変し、最近ではキャリアのつぶしがきくとして、「とりコン」という略語も聞かれるほど人気なのがコンサルティング業界だ。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、そのリアルな実態を明かすべく、コンサルタント経験者の中堅社会人5人が大放談。上中下に分けてお届けする匿名座談会の最終回では、事業会社側の視点も交えながら、自身の経験を基にキャリア論やコンサル業界の先行きなどを語り尽くしてもらった。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎、竹田幸平)

転職は正解?
コンサルのキャリア論

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<座談会出席者>
Aさん(30代・男性)難関私大卒→総合系大手ファーム(管理職)
Bさん(30代・男性)難関国立大卒→日系大手企業→外資系戦略ファーム(管理職)
Cさん(30代・男性)難関国立大卒→日系大手企業→外資系戦略ファーム→日系大手メーカー
Dさん(30代・男性)難関国立大卒→財閥系大手企業→総合系大手ファーム→独立系戦略ファーム
Eさん(30代・女性)難関国立大卒→外資系戦略ファーム→外資系事業会社(管理職)

――皆さんのキャリア論や、転職時の経験にトピックを移します。Eさんが同じ外資系でも、コンサルから今の事業会社に移ったのは、どういった理由ですか。

Eさん 2つ理由があります。一つは、元々ずっとコンサルでやるというビジョンで入社したわけではありませんでした。コンサルタントとして働いていて、自ら作った戦略なりを、自分の手でエグゼキューション(実行)することを、もっと責任を持ってやりたいと。

 コンサルはどうしても、案件ごとに動く仕事なので、自分の戦略が最終的にインプリ(実装)されたのかどうかなど、あまり追えていない第三者的な気持ちが抜けない実感がありました。きれいに戦略を描いて、プレゼンで(顧客先の)エグゼクティブが喜べばよいですが、事業会社が経営資源をいかに使うかまで手掛けたいなと思ったわけです。

 もう一つは、個人的なライフスタイルの変化です。私は妊娠・出産を経験し、コンサルという職業が好きなら続ける道も正直あったのですが、もっとサステナブル(持続可能)な働き方を求めたというのもあります。

――逆に唯一、事業会社を経験していないAさんはキャリアをどう考えていますか。

Aさん 以前はファンドに移ろうかなとか、事業責任者になろうかな、といったことを考えた時期もありました。ただ今のファームでは、実行の段階までできるという特徴があります。部門を移って異なる分野の人たちと働ける環境があって、自分の知的好奇心を満たせるところがあります。

 他のファームに行って給料が一瞬上がるより、今は好き勝手やれるフィールドがあるようにも感じています。だから、違う文化にアジャスト(適応)するよりは、今のファームで事業に近いところで仕事をする形で良いのかなと思っています。

 転職を経験した皆さんに聞いてみたいのは、コンサルに入って年数がたつと給料が上がって、抜け出しづらくなることはないんでしょうか。事業会社だと最近のコンサル企業のように、年収が100万円単位で上がることはないと思いますが、給与でないやりがいやモチベーションがあれば気にしないのでしょうか。

次ページでは、外資系戦略ファームで働く現役のコンサルタントから、事業会社に転じた“ヤメコンサル”に至るまで、多様なバックグラウンドを持つ中堅社会人5人が各自の経験を基にキャリア論を大展開する。コンサルの内部と外部の視点からコンサル業界の先行きについても見通してもらった。コンサル「冬の時代」再来の可能性はあるのか。また、コンサルタントが感じる事業会社からの“使われ方”の変化とは?