日系の大企業より、「とりあえずコンサル」へ――。就活生の間で昨今の常識が一変し、最近ではキャリアのつぶしが利くとして、「とりコン」という略語も聞かれるほど人気なのがコンサルティング業界だ。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、そのリアルな実態を明かすべく、コンサル経験者の中堅社会人5人が大放談。上中下に分けてお届けする匿名座談会の2回目では、前回の給与事情に続けて、コンサル業界の働き方に焦点を当てる。長時間残業など「ブラック職場」のイメージも根強くあるコンサルだが、その実態とは。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎、名古屋和希)
経験者5人が語るコンサル業界の「働き方」
プリンシパルやシニアマネジャーは奴隷?
Aさん(30代・男性)難関私大卒→総合系大手ファーム(管理職)
Bさん(30代・男性)難関国立大卒→日系大手企業→外資系戦略ファーム(管理職)
Cさん(30代・男性)難関国立大卒→日系大手企業→外資系戦略ファーム→日系大手メーカー
Dさん(30代・男性)難関国立大卒→財閥系大手企業→総合系大手ファーム→独立系戦略ファーム
Eさん(30代・女性)難関国立大卒→外資系戦略ファーム→外資系事業会社(管理職)
――コンサルタントの働き方について話題を移します。今はどのように働いていますか。
Bさん 30代に入ってあまり夜遅くまで仕事しなくなりました。というか、できなくなりましたね。夜10時くらいまで仕事していると疲れて寝てしまう。その代わり朝4時とか5時とかに起きて仕事をすることもあります。仕事量は多いけど、仕事の進め方は自由ですよね。
Eさん 「プリンシパルやシニアマネジャーは奴隷」ってよく聞くけど(笑)。
Bさん まあそうですね(苦笑)。パートナーからのプレッシャーを日々感じる。管理職になったら少しは楽になるかと思ったけど、逆に精神的にタフなことは増えました(苦笑)。
Dさん 私は夜遅くまで仕事する方かな。夜は子供を寝かしつけてからまた一仕事して、って感じで結局遅くなりますね。朝弱いから8時半くらいまで寝ていますが。
Aさん 土日はたまに仕事するけど、結構休んでいます。平日も早いと夕方6時くらいには仕事終わって、夜11時くらいには寝ています。20代の頃はクライアント先での徹夜が当たり前で、どうしても眠いときにはトイレの個室でトイレットペーパーのところに頭を置いて寝ていました。
Dさん あ、俺もそれやってた(笑)。
次ページでは、「ブラック職場」ともいわれるコンサルの働き方の実態をコンサル経験者らが赤裸々に語る。実は、昨今は意外にも「ホワイト」になってきているとも指摘する。なぜ働き方は変わってきているのか。事業会社との違いとは。ここ数年で起きたコンサルの現場の変化についても語ってもらった。