スマホやパソコンを触る時間が長い現代人にとって、ストレートネックによる「肩こり、首こり」は大きな悩み。
しかし、肩こり、首こりにはストレートネック以外にも意外な要因があると前回の記事で解説しました。
本記事では、18年間で延べ6万人以上の体の悩みを改善した整体師であり、書籍『顔のゆがみがととのうと驚くほどきれいな私が現れる』(高野直樹著、森下真紀監修)の著者である高野氏に「肩こり、首こりに効くカンタンなケア」について聞きました。(取材/構成:塩尻朋子)
(前回の記事)【6万人を改善した整体師が教える】肩こり、首こりの“隠れた要因”とは?
身体がこらない、ほんとうに正しい姿勢とは?
――パソコンやスマホを使うときは、どんな姿勢でいたら、肩こりや首こりを少しでも防ぐことができますか?
高野直樹(以下「高野」):拙著『顔のゆがみがととのうと驚くほどきれいな私が現れる』でもご紹介したように、正しい姿勢の基本は「頭の位置」です。
人間の体の構造上、頭の位置がきちっと定まっていれば、首から下も曲がったりゆがんだりしにくくなっています。つまり、頭が前に突き出て、正しい位置からズレてしまうから、ねこ背や腰を反りすぎる姿勢になってしまうのです。
まずは、頭の位置を常に意識するといいでしょう。
●大切なのは、頭の位置。力を抜いて、突き出さないこと
「正しい姿勢」とは、頭が前に傾いていない、つまり、頭が前に突き出ていない状態です。頭の位置が正しい位置にあれば、背中を丸くすることはできませんし、反り腰になるのも難しいはずです。
人間の体の構造からしても、頭の位置が決まることで、連動する肩や背中などの姿勢がどうなるかが変わります。
●あごを押して、頭を平行に引くイメージ
「頭を後ろに引く」というと、首を後ろに反らす人が多いです。重要なのは、頭全体を平行移動で少し後ろに引くということ。あごを指で軽く押して、イメージをつかんでみましょう。
――それでも、どうしても長時間、パソコンやスマホを使うと、首や肩がこってしまいます。
高野:人の筋肉は、ゴリゴリにこわばってからほぐそうとすると時間がかかります。筋肉の性質からも、長時間のストレッチより、30分に一回でもいいので、こまめに動かしてあげたほうが、いい状態を維持しやすいでしょう。
『顔のゆがみがととのうと驚くほどきれいな私が現れる』でご紹介している「肩甲骨まわし」を、30分に1回、5回まわすだけでいいので、やってみてください。
首から背中までは、僧帽筋という大きな筋肉が横たわっています。「肩甲骨まわし」では、僧帽筋全体を動かして血流を促しますので、首のこりも肩のこりも同時にほぐすことができます。
●肩甲骨まわし
片方の手の指先を肩に乗せ、ひじを大きく後ろにまわします。左右、5回ずつ行いましょう。指を肩から離さないのがポイントです。
そうすることで、肩甲骨が最大限に動き、肩だけでなく、首のこわばりもやわらげ、血流を促します。