「飲み会に参加するべきか否か? 頭のいい人はこうしてますよ」
そう語るのは、『世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた』などに出演し、ネット上で有名なひろゆき氏。彼の著書『1%の努力』『99%はバイアス』では、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語っているが、本記事では、社会人が悩む「会社の飲み会」について、考えを聞いてみた。(構成/ダイヤモンド社・菱沼 美咲)

ひろゆきが語る「飲み会に参加すべきか否か」頭のいい人がやっていることとは?ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

新卒は会社の飲み会に参加するべきか否か

 どの会社にもある「飲み会文化」。
 飲み会に参加した方がよいかどうか、悩んでいる新入社員は意外と多いのではないでしょうか?

 飲み会に参加するべきか否か、それは飲み会に参加する目的がちゃんと明確にあるかどうか、そしてメリットがわかっているかどうかの話です。

 例えば、上司と飲み会があるとします。
 その上司と仲良くなって、表では言っていない仕事のコツを教えてもらうとか…という目的があれば自分の糧になるのではないでしょうか。

 自分の糧になる経験とか、知識のある人から話を聞ける機会であるというのがプラスであると思う人であれば、飲み会に参加した方がいいと思います。
 ただ、アルコールが苦手で難しいなどの理由があるなら、行っても時間の無駄だと思いますけどね。

 飲み会に行ってそのメリットが得られるかどうかって、その人自身の問題なんじゃないかなと思います。

飲み会以外にコミュニケーションのチャンスはある?

「飲み会以外でもランチなどで話を聞けるのでは?」「飲み会にこだわらなくても…」と思う人もいるかもしれません。
 これは、そもそも「飲み会以外でも」という問い自体が間違っています

「飲み会以外のチャンス」といいますが、シラフかアルコールが入っているかは結構違います。
 なにがどう違うか、ここでは2つ紹介したいと思います。
 1つは、人のキャラクターや立ち振る舞い。
 もう1つは、秘密を言いやすくなるということです。
 キャラクターや立ち振る舞いでいうと、例えば僕の場合は、お酒が入ると声がでかくなり、笑い上戸になります。そして、やたらと絡むようになる。
 性格自体が変わるというより、もともとの性格が引き出される感じです。
 もちろん全く変わらない人もいますけど、アルコールが入っているか否かで変わる人が多いので、飲み会でしか手に入らないものがあると思います。

酔うとゴシップが言いたくなるワケ

 もう1つの、お酒が入ると「秘密を言いやすくなる」ことはどういうことか。

 例えば、「給料いくらなんですか?」とかお偉いさんに対して、シラフで普通聞けないじゃないですか。
 ただ、酒の場だとノリで聞いてノリで答えてくれるみたいなのがあるんですよね。

 あと、「あの人とこの人が実は付き合っていて…」みたいな話とか、裏の力関係を知れる機会になるので、どんどん利用していきましょう。
 みんなだいたい酔っぱらうとゴシップが言いたくなる。
 これは、「抱えていられない」「伝えたい」という感情と、「人に言ってはいけない」という理性の葛藤がずっとあるからなんですね。
 その状態でお酒を飲むと、理性がなくなりつい口にしてしまうというわけです。

飲み会でわかる、頭のいい人の秘密の作り方

 基本的に、ホモサピエンスって情報を共有したい欲があるんですよ。
 秘密を共有している人は仲間であるという感覚を持つ人が結構多い。

 頭のいい人はそれを利用するんです。
 秘密でもない秘密を適当につくって、それを共有している感を出す
 そうすることで、相手と親密になっているという演出をしているわけです。

「あなたにだけ教えるんだけど」って言われると、なんか自分のことを信頼してくれていると人は勝手に誤解しますよね。
 これをテクニックとして使っています。
 まあ、「この人は同じことを色々な人に言っているんだ」ってばれると、効果がないんですけどね。

「信頼されている」と思うと、自分も相手に対して信頼して何かを返さなければいけないと思ってしまう人が結構いる
 なので、人間の心理をうまく利用しているなと思います。

 飲み会は秘密を共有しやすい場ではあります。
 ただ、参加してメリットを得られるかどうかは自分次第、目的を明確にして飲み会を利用することが、賢いやり方なのではないでしょうか。

(本稿は、1%の努力の著者・ひろゆき氏へのインタビューをもとに構成したものです。)

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。自身のYouTubeチャンネルの登録者数は160万人を突破。生配信の「切り抜き動画」が話題になり、ひと月の総再生回数は3億回を超えた。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『1%の努力』『99%はバイアス』(ダイヤモンド社)がある。