SBI証券がビックリ宣言
クレカ積立最凶の改悪か

 新たなプレーヤーが参入するほどキャンペーン競争が起きて、利用者にとってメリットとなりそうだが、実はそうでもない。前述した通り、新NISA口座をがっちり押さえているのは楽天・SBIの二大証券で、非課税口座は年に1回しか乗り換えることはできない。

 ほとんどの利用者はいったん口座を開いたら、毎年金融機関を乗り換えるなんてことは面倒くさくてしないだろう。だからか、SBI証券における三井住友カードでのクレカ積立に、ビックリするような改定が発表された。現在は積立額に対し、カードの種類に応じて0.5~5%までのポイント還元を行っている。

 ところが、10月10日以降の積み立て設定締め切り分からは、最大5%あった還元率が最大3%に下がる。もっとハードルが高いのが、投信積立とは別にカード利用額が条件に加わることだ。

 最大3%の還元対象となるカードは、三井住友カードの中で「Oliveフレキシブルペイ プラチナプリファード」「三井住友カード プラチナプリファード」だが、このカードで年間500万円以上の利用額が必要になる(投信積立額は含まれない)。

 年間の利用額が300万円未満の場合は1%に落ちてしまう。とはいえ、この2つのカードは年会費3万3000円と高めなので、このカードを選ぶ層なら500万円くらい簡単に――使うだろうか? 

 年会費無料の庶民派スタンダードカードの場合は0.5%還元だが、その条件を見ると「初年度は利用条件なし、翌年からは前年が年間10万円以上の利用で0.5%」でハードルはまあまあ低い。が、もし10万円未満だった場合は、なんとポイント還元はゼロなのだ。「聞いてないよ」という悲鳴が上がりそうな改悪ではないか。

 カード会社としては、カードをじゃんじゃん使ってもらいたいのは当たり前、年会費無料カードより有料カードに切り替えてほしいのも当たり前だ。そもそもポイントはあくまでサービスのために付けるもので、そのルール改定を縛る法律もない。還元率をどういじるかは事業者次第だ。

 とはいえ、ポイント付与がゼロになるかもしれないとは誰が想像しただろう。ポイ活しながらスマートに資産形成も実現、と勢い込んでいた人は、10月になる前によくよく規約を読み返した方がいい。世の中には、そう簡単にトクする話はないと実感するだろう。