(1)状況確認型質問
「足りない情報を補完する」

「誰が?」「いつ?」など、具体的に状況を確認するための質問で、特定の状況や問題に関して具体的かつ詳細な情報を集めるために有効である。

 何が起こったのか、いつ、どこで、誰が関与しているのかという5W1H的な基本となる情報を把握することで、話の全体像をクリアにし、さらに深い分析や問題解決へと進めるための基盤を作る。

 例えば、職場でプロジェクトの遅延が発生した場合、

「このプロジェクトの責任者は誰ですか?」
「遅延が発生した具体的な日付はいつですか?」
「この問題が発生した場所はどこですか?」

 といった質問が役立つ。

 本来は、話者によって提供されたり、事前に共有されたりするのが望ましい情報だが、話者自身がこれらをあいまいにしか把握していない場合もあるため、この質問によって、事態の把握に向けての突破口が開かれることがある。

(2)因果性確認型質問
「なぜ」を突き詰める

 事実や発言の背後にある理由や原因を掘り下げる質問。話者や聞き手が事態の関係性を整理し、整合性があるかを確認することができる。議論や分析的な会話において重要な役割を果たす。

「なぜこのキャンペーンは目標に達しなかったのでしょうか」
「この結果に至った具体的な要因は何ですか」
「この決定を下した理由は何ですか」

 誰もが普通に行っている質問であるが、事実やデータに基づくことが重要だ。論理的に整合性があるか、ないかをその場で確認でき、適当な言い逃れを容認しなくてすむ。

 また、なぜ、なぜを何度も繰り返すことで、問題の全体像がおぼろげながら見えてくる。回答に対して、他者がさらに別の観点から深掘りする質問を行えば、場全体として詳細な理解にたどり着くことができる。