【1分読み切り】嫌いだった人でも、ふとした瞬間に「いいところ」が見えてくることがあるんです。
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【精神科医が教える】20年ぶりの二日酔いから「人間関係の本質」についてわかった1つのことPhoto: Adobe Stock

「雑炊」と「人間関係」?

今日は「人間の魅力と雑炊の価値」というテーマでお話しします。少し変わったテーマだと思われたかもしれませんが、最近の経験から得た洞察を共有したいと思うんです。

実は今、二日酔いの状態です。昨夜、約20年ぶりに飲みすぎてしまいました。アルコールには強いほうなのですが、油断してしまい、パートナーから今後1ヵ月の禁酒を言い渡されてしまいました……。

今朝は何も食べられませんでしたが、お昼近くになってお腹が空いてきたので、フリーズドライの雑炊を食べました。これは以前、コロナ渦で体調を崩したときに備えて、買っておいたものなんです。

状況や体調によって変化する

その雑炊を食べたところ、驚くほど美味しく感じました。体に染みわたる味わいだったんです。普段なら物足りないと感じるであろうフリーズドライの雑炊が、二日酔いの体調には、格別の味わいに感じられたのです。

この経験を通じて、人間の魅力について考えさせられました。食べ物の美味しさと同じように、人間の魅力も主観的で変化しやすいものだと気づいたんです。

ある人を魅力的に感じるかどうかは、そのときの自分の状況や体調によっても、大きく左右されるということです。

その決めつけは間違っているかも?

ある人の声が気にさわると「うるさいな」「嫌だな」と感じますが、自分の体調がよいときには「ハキハキしている」とポジティブに感じるかもしれません。このように、人間の評価はとても曖昧で移ろいやすいのです。

だからこそ、他人のことを簡単に決めつけないほうがいいと思ったんです。自戒の念を込めて言うと、苦手だと思っていた人でも、機会があればもう一度接してみる価値があります。そうすることで、新たな発見があるかもしれません。

柔軟な認識が包容力を深める

体調が悪いときには、フリーズドライの雑炊に至高の美味しさを感じる半面、高級な霜降りステーキであっても受け付けないことがあるはず。同じように他人に対する評価は、体調や状況によって変化する可能性があります。

こうした柔軟な認識を持つことで、他人に対する包容力が深まり、人間関係がより豊かになるのではないでしょうか。このように、二日酔いから雑炊の味わいに感動したことで、人間関係に思いを馳せたのでした。