スマホ時代になって、長い文章が嫌われるようになった。そこでコピーライティングの第一人者、神田昌典氏25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』の中から、スマホ時代に対応した「適度な行間を取るテクニック」を抜粋して紹介する。
プロでやっていくために必要な技術
マーケティング・コピーライターは世間でいう文系仕事のイメージがあるが、実際は「技術職」あるいは「技能職」なのだ。
マーケティング・コピーライターのウリは、ライティング技術。
技術をウリものにするプログラマー、エンジニア、医師、大工などと同じ。だから、なによりも優れた技術が求められる。
本書は、コピーライティング未経験者でも、学びながら実践・上達できるよう設計されている。
同時に、ベテランのためのコピーライティング技術もカバーしている。
だから、本書を読んで、書けるようになった人よりも、さらに一段突き抜けた技術がないと、その技術でお金をいただくプロとしてやっていくことはできない。
では、コピーライティング技術はどうやって磨くのか?
正しい方法で一定時間以上かけて量をこなせば、誰でもうまくなる。
もちろん、人それぞれ、それまでのキャリアや人生経験によって、遅い・早いの差はあるだろう。
だが、本書を徹底活用すれば、あなたは必ず上達する。
私、衣田の場合は、世の中にコピーライティングという技術があり、コピーライターという仕事があるのを初めて知ってから、案件を受けて報酬をもらうまで10か月だった。
そして、さらに10か月後に数十年のサラリーマン生活に別れを告げ、独立した。
トータルで2年弱だ。
最初の段階でコピーライターは技術職だと見抜き、技術力がないと話にならないと考えた。
だから、仕事を取ることを一切考えず、技術を磨くことだけに専念した。
半年くらいすると、技術の知識はだいたい身についた。
ただ、知識として知っていることと、技術として現場で使えることは別だ。次のステップでは、実際に書く機会を求めた。
クラウドソーシングに登録したり、知り合いの整体師に頼んでコピーを書かせてもらったりした。そうこうしているうちに、良質なクライアントとご縁ができ、そこから次の仕事へどんどんつながるようになった。やはり人との出会いは大きい。
「音読」と「写経」が効果的な理由
また、コピーライティングの技術を磨くうえで最も基礎的なトレーニングは「音読」と「写経」である。
写経とは、売れているLP・セールスレターを手で書き写すこと。
最適なのは、「ピアノコピー」(本書48ページ)、「英語の間違い」(本書54ページ)、「2人の若者」(本書57ページ)の3つだ。
どれも3000字未満で、途中に画像がないので、写経には最適だ。
まず、対象レターを20回音読する。
2、3回ではない! 20回だ。この時点で9割の人が脱落する。
だが、一見「何のために?」と思える基礎トレーニングに時間を割けるか否かが、天国と地獄の差となって数か月後に現れる。
数年ではない、わずか数か月後に違いが出てくるのだ。
ダマされたと思って、どうかやってみてほしい。
私、衣田も「最初はそんな子どもみたいなことができるか」と思っていた。
だが、10回くらい音読していると、セールスレターに宿る独特のリズム感や流れがわかってきた。
その後、写経を10回やる。1つのレターに対して10回だ。
写経というと、よく「絶対、手書きじゃないとダメ?」と聞かれる。
結論は、手書きとパソコン、両方でやってみるといい。
最初は手書きで7回。
7回連続でなくていい。腕や手が筋肉痛になるかもしれないが、効果を信じて邁進しよう。
その後は、3回、パソコンで写経してみる。
自分のビジネスを持っている人で、ここまで労力をかける人はまずいない。
もちろん、写経だけでプロになれるわけではないが、人がやらない(やれない)ことをやれるかどうかで、プロフェッショナルになれるかが決まるのだ。
(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)
『コピーライティング技術大全』は、25年間、再現性実験を繰り返してきた、本物の技術が一冊凝縮。東証プライム上場・現役マーケッター「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長も、「この本は、100万円以上の価値がある!」と評しています。ぜひチェックしてみてください。
【著者】神田昌典(かんだ・まさのり)
日本最大級の読書会「リードフォーアクション」発起人、NPO法人 学修デザイナー協会理事
上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済局に勤務。戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年、経営コンサルタントとして独立。『GQ JAPAN』(2007年11月号)では、“日本のトップマーケター”に選出。2012年、アマゾン年間ビジネス書売上ランキング第1位。2018年、マーケティングの世界的権威の「ECHO賞」国際審査員に選出。2019~2020年、古田土会計が評価する「社長の成績表」で2年連続No.1に。現在、ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。おもな著書に『
稼ぐ言葉の法則』『
60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則』『口コミ伝染病』、監訳書に『
ザ・コピーライティング』『
伝説のコピーライティング実践バイブル』『
ザ・マーケティング【基本篇】』『
ザ・マーケティング【実践篇】』、監修・解説書に『
最強のコピーライティングバイブル』などがある。
【著者】衣田順一(きぬた・じゅんいち)
マーケティング・コピーライター、アルマ・クリエイション株式会社コンテンツ戦略室 ディレクター
大阪市立大学文学部卒。鉄鋼メーカーの住友金属工業株式会社(現・日本製鉄株式会社)入社。製造業向けB to B営業と営業企画部門を経験。営業室長、企画部上席主幹(部長級職位)として組織をリード。脳性麻痺の子どもへの対応からテレワーク(在宅勤務)を志向。時間と場所の自由が利く、セールスコピーライターという仕事に出会う。商品の魅力を文章で表現し、クライアントと買った人両方に喜んでもらえる点に惹かれると同時に、営業と企画の仕事との共通点も多く、これまでの経験も活かせると考え、セールスコピーライターになる。現在は、社内の各種ライティングやコピーライティング関連講座の講師を担当。これまで800人以上にのべ3500回以上のコピーのフィードバックを実施。著書に『売れるコピーライティング単語帖』(神田昌典との共著)がある。
【著者・神田昌典からのメッセージ】
本書は、私が25年にわたり実践してきた、ネット・スマホ時代に完全対応したコピーライティング技術の集大成だ。
「焼け野原に立たされたとしても、翌日には紙とペンだけで稼ぎ始める力」を本書で届けたい。
私たちが、長いキャリアにおいて価値を提供し続けるには、読解力に加え、次の4つの力が必要だ。
「どうすれば、情報を正しく判断できるのか?」【判断力】
「どうすれば、自分ならではの価値をつくれるのか?」【思考力】
「どうすれば、その価値を、必要な相手に伝えられるのか?」【表現力】
「どうすれば、広く遠くまで届けられるのか?」【発信力】
このように判断・思考・表現・発信という相互に連動する力、すなわち自分の意志で生きる力については、不当に軽視されてきた。
本書では、この「4つの力」が身につくコピーライティング技術100を初めてお伝えする。
日本の広告事例画像40点以上、図表120点以上を掲載。
紙・スマホ・ウェブに完全対応。
書籍初公開のオリジナルツールも多数盛り込んだ。
私自身、この世界で四半世紀、25年の集大成のつもりですべてをぶち込んだ。
心して読んでほしい。そして現場でとことん活用してほしい。
必ずや今、苦しみ悩みもがいている、あなたのお役に立てるはずだ。
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「WEBクリエイティブをやっている人にとっては“すぐに使えるノウハウ"が満載。
正直、同業者の私の立場からすると、読者のスキルが“すぐ"に上がるので競合が増え、あまり売れてほしくない(笑)」
「誤解してはいけないのは、“いい文章を書く技術"の本ではなく“ネットで最も成果を上げるためのコピーライティング"に特化している内容なのだ。ここを間違えてはいけない。ちまたにあるコピーライティング本とは根本から違うのだ」
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『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』おもな目次
★はじめに(神田昌典):生きる力の源泉となる、すべての社会人のための国語力
★【解説付】おもなコピーライティング用語105
★本書で扱うコピーライティング技術100
★第1章:コピーライティングで売上が上がる理由
★第2章:インパクトのある見出しをつくる8要素「BTRNUTSS(バターナッツ)」
★第3章:LP・セールスレターは組み立てるもの
★第4章:刺さるコピーの正体はPMM(Product Market Matching)
★第5章:人を動かす文章の構造「PASONA(パソナ)」がウェブ時代に深化した「PASBECONA(パスビーコーナ)」
★第6章:PMMを見出す「PMMサーチシート」
★第7章:成約率を高める32のライティング技術
★第8章:インターネットで活用するコピーライティング技術
★第9章:神田昌典コピーライティング至言29