「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」。「実家片づけ」をしないまま親が認知症になったり亡くなったりすると、「お金」「時間」「労力」という負担が子ども世代にのしかかってくるので、「実家片づけ」は”親が元気なうちに”取り組むことが大切です。とはいえ、ほとんどの親は、最初は片づけることに反対し、親子喧嘩に発展することもしばしばです。乗り気じゃない親を説得し、実家の膨大なモノや書類を片づけ、親が最期まで楽しく安全に暮らせる家にどう変えていくか……。親子だからこそ難しい「実家片づけ」のポイントを解説した、片づけアドバイザー石阪京子氏の最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』から、そのテクニックを抜粋・編集してお伝えします。
大事ではないモノを置いておくことで結果的に損をすることを強調
実家片づけに限りませんが、片づけに反対する人がいると、必ず耳にするのが見出しの三つの言葉です。
特に実家が広い場合、「置く場所」はあるんですよね。狭い家だとしても、それは一応置けているから(どんなに邪魔だとしても)、「置いておけるモノをなんでわざわざ捨てなくてはいけないんだ」という心理が働いて、捨てるのを拒みます。「大事だから捨てられない」というよりも、「わざわざ捨てなくていい」という感覚です。
そういう場合の、切り返し方を下にまとめました。ポイントは、大事ではないモノを置いておくことで、いかに損するかを伝えること。
言い方は、穏やかに。冷静に。第三者が客観的な意見を述べるようなイメージで伝えてください。
「もったいない」→「売れるかどうか、調べてみよう」
そのモノを客観的に見ると、実は価値がないということをわかってもらうのがポイント。値段を調べてみて、値がつかない場合はそれを伝える。
また、仮に300円だった場合、「自分はここに1時間かけて片づけに来ている。それなのに300円のモノにこんなに時間をかけて対応していたら、時間と労力がもったいない」と、モノそのものではなく、時間と労力がもったいないと伝えるのも有効。
「いつか使う」→「誰がいつ、どんなときに使うの?」
例えば、昔ギフトでもらったタオルが出てきた場合。箱から出して「はい、どうぞ。今すぐ使ったら?」と渡す。親はたいてい「今すぐは使わない」と言って拒むけれども、そのときは「じゃあ、いつか使うのは誰? 私ではないよ。私はいらない。お母さんはいつ使うつもりなの?」などと問いかけて。
「置けるから置いている」→「ゴミの処理費が上がっているよ」
電化製品や大型ゴミなどは、ゴミを出すのもタダじゃないこと、その価格もどんどん上がっていることを伝え「今、処理しないと損をするよ」と伝える。
*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。