これをさらに後押ししているのが、世間一般の多くが会社員など何かしらの組織に属していることだろう。

 皆さんも自分の職場を思い出してほしい。「アホらしい」「なんでこんな理不尽な決まりを守らないといけねんだよ」という謎ルールもあるが、不平不満をグッと抑え込んで従っているのは「みんなに迷惑をかけてはいけない」という思うがあるからだ。

 自分がルールを破ってしまったら、同僚や取引先に迷惑がかかる場合もあるし、部下や後輩などにも示しがつかない。いわゆる、「ガバナンス」がボロボロに崩壊してしまうので、組織の属している以上はルールに従わなければいけないという考えがあるはずだ。

 こういう「組織人」からすれば、宮田選手の飲酒・喫煙が決して「小さな問題」ではないことは明らかだ。

内部通報が物語る
処分の妥当性

 報道によれば、宮田選手の飲酒と喫煙の情報が強化本部に寄せらたのは「事前合宿地のモナコで内部からの通報」だったという。これはつまり、宮田選手と一緒に合宿をする「仲間」が彼女の行動を問題視して情報提供をしたということに他ならない。つまり、「組織の秩序を乱す者」として刺されたのだ。それを示唆するような情報もある。

《関係者によると、宮田に対して以前から素行の悪さを問題視する声があり、喫煙について「過去に厳重注意を受けていた」との証言もある》(スポーツニッポン 7月20日)

 しかも、組織の中でも、特にアスリートに「迷惑」をかけていた恐れもある。記者会見で飲酒は、東京・北区のナショナルトレーニングセンターのアスリートビレッジ(宿泊施設)で行っていたという。これはつまり、この施設にいた代表強化選手たちの中には、宮田選手の飲酒シーンを目撃した者もいるかもしれないということだ。