この連載は、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生によるものです。テレビなど多数のメディアに出演されている信頼度の高い人気の医師です。
本書の読者からは、
「子を持つ親として、食事の大切さがよくわかった」
「何度も読み返したい本!」

といった声がたくさん届いています。不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験によってわかった本当に子どもの体と脳によい食事。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。今回は睡眠と食について解説します。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。

【小児科医が教える】子ども時代の「睡眠時間が長い子、短い子」。将来に出る違いとは?Photo: Adobe Stock

子ども時代の「睡眠時間」が将来を左右する

 日本人の睡眠時間はOECD(経済協力開発機構)に加盟する36か国のなかで最も短いというデータがあります(2019年)。これは大人を調査した結果ですが、大人と子どもの睡眠時間は比例するため、日本の子どもも睡眠時間が短い傾向にあることがわかります。

 未解明なことが多いものの、睡眠医学はここ数十年でかなり進んでおり、子どものころの睡眠時間の確保が重要であることがわかっています。
 十分な睡眠によって、脳の高次機能(判断力など)、情緒、感情コントロールなどの発達がより進むことが研究で示されています。さらに睡眠時間が不足していると学校の成績が下がり、かつ、太ることもわかっています。

 眠るだけで頭がよくなるなんて、お得ですよね。子どもの睡眠時間をしっかり管理してあげてください。そのためにも親が早めに寝られるとよいですね。

◆年齢別 睡眠時間の目安◆
( )内の年齢は参考文献による幅[*42]

・乳児(4~12か月) → 12~16時間(10~18時間)
・幼児(1~2歳) → 11~14時間(9~16時間)
・就学前(3~5歳) → 10~13時間(8~14時間)
・学童(6~12歳) → 9~12時間
・思春期(13~17歳) → 8~10時間

不眠、寝つきが悪いときのおすすめレシピ

 寝付きの悪いときにおすすめのレシピをご紹介します。
 魚のオメガ3とナッツで睡眠の質アップがします。たんぱく質で睡眠ホルモンであるメラトニンの素を摂りましょう。

◆アーモンドonサーモンwithたっぷりハーブ◆

材料(2人前)
● サーモン …… 2切れ
● スライスアーモンド …… 10g程度
● コショウ …… 適量
● オリーブオイル …… 大さじ2
● パセリ、イタリアンパセリ、ディルなどの新鮮なハーブ …… 適量
● レモンスライス …… 適量

作り方
1

フライパンを中火で熱してオリーブオイルをひき、サーモンを焦がさないように焼く。
目安は片面3分くらいで、少し焼き目がつく程度に。

2
サーモンが焼けたらスライスアーモンドもフライパンに投入して少し加熱する。

3
サーモンにコショウをふりかける。

4
皿にサーモンとスライスアーモンドを盛り付け、ハーブとレモンを添える。

ポイント
コショウを使うと、塩をふらなくてもサーモン自体の塩分でおいしくいただけます。サバ、まぐろなどの青魚とナッツは、睡眠の質を上げたという研究があります。
抗酸化作用のあるハーブとレモンも食べましょう。

(本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本から一部抜粋・編集したものです)

*42 https://www.cdc.gov/sleep/about_sleep/how_much_sleep.html (2022年11月20日)