男性ホルモンが減少すると筋肉量が低下しますが、外出しなくなって活動量が減ると、さらに筋肉が落ちていきます。

 また、人間関係も希薄になり、記憶力や判断力も低下するため、認知症のリスクも高くなります。

 やはり、いつまでも元気で意欲的でいるためには男性ホルモンが必要不可欠なのです。特に50代以降の男性にとっては、男性ホルモンの量を維持することが若々しい後半生を迎えるカギになります。

 男性ホルモンの多い人ほど公共心やボランティア精神、社交性、意欲、判断力などが高いということは、考えてみれば、政治家には男性ホルモンの多い人のほうが向いているということです。

 確かに、明治維新の頃の政治家を考えてみると、女性関係には奔放な人が多かったけれども、この時期の日本は大きな変化を遂げ、近代立憲主義国家の仲間入りを果たしました。

 特に、初代内閣総理大臣の伊藤博文は芸者遊びが大好きで、「掃いて捨てるほど女がいる」ことから「ほうき」というあだ名がつけられていたと言われています。

 女性問題に関しては今の時代では適切ではないのは当然ですが、明治維新後の日本を牽引し、近代日本の礎をつくった代表的な政治家ではあります。征韓論に反対して日韓併合にも慎重な意見を出し、弱者に優しい政治を行うほか、人にものをあげることが好きで使用人にも偉そうに振る舞うことが一切なかったため、周囲の人から非常に慕われていたらしい。こうしたエピソードも、伊藤の男性ホルモン値の高さを示唆しているのかもしれません。

女性も男性も更年期には
ホルモン補充療法が有効

 ところで、女性が更年期障害の診断を受けたときは、一般的には不足している女性ホルモン(エストロゲン)を補うホルモン補充療法を行います。

 欧米では女性の半数が受けているほど一般的なホルモン補充療法ですが、日本ではまだその数は多くありません。ホルモン補充療法によって、乳がん発症のリスクを心配する人が多いからだと言われています。

 しかし、最近の大規模調査では、ホルモン補充療法が乳がんのリスクを増加させることはないという報告が多数示されています。