200ページくらいあった単語帳を1日見開き2ページ。100日でやる計画だったところ、前倒しして70日くらいで達成した。

 これくらいのことは強い目的意識さえあれば誰だって気合でやってのけられると僕は思っている。センター試験(現・大学入学共通テスト)の英語は200点満点中、170~190点、2次試験の模試(英語)は120点満点中、80点を取れるようになっていた。1日24時間のうち14時間を単語の暗記と赤本での過去問に当てていた。そして残りの10時間を睡眠、食事、風呂に当てるという生活を繰り返した。そう、僕らはやろうと思えば14時間も勉強に使える。

 英単語の覚え方のコツとして意識していたことがある。

 その単語の意味を知ったら、さっそく使ってみるというやり方だ。いや、受験勉強のときは「使う」という時間がなかったから、使っている自分を想像しただけだった。

 でも、文字の羅列をそらんじるくらいまで暗記するには、僕にはこのやり方が合っていたのだ。

英語は使うことで覚えよう
英単語暗記のコツは妄想力にアリ

 例えば、Correspondenceという単語がある。これは「文通」とか「手紙のやり取り」を意味するが、他にも「書状」や「対応」などと参考書には意味が書かれている。要するに「相手との意思疎通」がコアな意味なのだが、日本語の意味だけを目で追うと、非常に分かりにくい。

 それに綴りも長くて覚えにくい。

 だから僕は“実際に自分が話し相手に向かってこの単語を使っているところ”を想像するのだ。

 参考書にセットで紹介されている例文に、the prompt correspondence(迅速な対応)とあったとしよう。するとThank you for the prompt correspondence.(迅速なご対応ありがとう)と実際に自分がこの単語を使って、手紙を書いているところを想像してみる。

 インプットしたら、すぐに自分の想像に取り込み、想像の中でアウトプットする。クライアントの手際の良い対応に感謝するシーンを想像したのだが、この頃は社会人にもなっていない。から、ほとんど妄想に近い。だが、妄想とは断片ながらもストーリーの一部である。ストーリーを頭の中に描ければ、もう忘れることはない。