あらゆる投資商品に共通する原則ですが、期待リターンが大きいほどリスクも大きくなるので、投資先が倒産するリスクも覚悟のうえで投資を行う必要があります。

 英国の株式投資型クラウドファンディングの大手プラットフォーム「クラウドキューブ」では、資金調達を行った企業の5年後の生存率は約7割であり、残りの約3割は倒産・清算となっています。スタートアップ投資がハイリスクの世界であることはご理解のうえ、投資に臨んでいただきたいと思います。

投資家にとってのリスク

 投資家の皆様にご理解いただく必要があるのは、スタートアップへの投資は上場株や投資信託と比べ、はるかに高いリスクがあるということ、流動性が著しく乏しい(売りたいときに売れるとは限らない)ということです。

(1)ハイリスク・ハイリターンであること
(2)流動性に乏しいこと

ハイリスク・ハイリターン

 株式投資型クラウドファンディングをはじめとしたエンジェル投資は、単純にリスク・リターンの観点で見ると「ハイリスク・ハイリターン」な投資であることをご理解ください。

 スタートアップは、財務基盤が非常に不安定です。投資した企業が将来的にIPOやM&Aができれば大きなリターンが得られる可能性もありますが、投資資金がゼロになるリスクもあります。

 また、上場企業では財務状況や業績が公開されており、市場における評価や信用を維持するための規律が求められるため、一定の信用があります。

 一方で非上場企業は一般に出回る情報量が少ないからこそ、プラットフォームで情報収集したうえでの投資判断が重要です。大切な資産を投資してくださる投資家の皆様が納得して投資できるよう、イークラウドではビジネスモデルや成長戦略、そして投資に関するリスクについて、しっかりと理解していただく機会を設けています。よく目を通したうえで、投資判断を行っていただきたいと思います。

流動性に乏しい

 株式投資型クラウドファンディングで取り扱う非上場企業の株式は、原則として流動性が極めて低いです。「流動性」とは、簡単にいえば現金化できるかという意味です。

 上場している企業の株式は、投資家が株式市場に参加しているため流動性が高く「株価が上がってきた(下がってきた)ので早めに売り抜けたい」「まとまった資金が必要になった」といった場合、換金は容易です。

 一方、非上場株式は、購入後は株式の流動性がほとんどありません。損切りもできず数年、長い場合は10年単位のスパンでの付き合いが前提です。そこまで長く付き合っていける自信がない場合は、その企業にはエンジェル投資をしないほうが良いともいえます。