第3位は松山商(56勝21敗1分)。夏だけで優勝4回、準優勝3回、「夏将軍」という異名をとるほど夏に強かったが、2001年夏にベスト4に進んだのを最後に20年以上甲子園に出場できず、今夏も県大会準々決勝で姿を消した。4位の天理高が7勝差まで詰めてきており、このまま未出場が続くと逆転されそうだ。

 なお、松山商は戦後のごく一時期、松山東高に吸収されて同校の商業科となっていた。その間の1950年夏には松山東高として甲子園に出場し全国制覇している。このときの4勝を加えると通算は60勝となる(本稿では松山東高としてカウント)。また1分とあるのは、1969年夏の決勝戦の三沢高との延長18回引き分け再試合である。

 第2位は龍谷大平安高(61勝31敗)。現在の校名になったのは2008年のことで、年配の方には平安高の方がなじみがある。戦前からの名門だが、初出場したのは1927年と昭和になってから。同地区(かつては京滋、現在は京都)に強力なライバルが少ないことから出場回数も34回と、北海高(40回)、松商学園高(37回)に続いて全国第3位(いずれも今大会を含む)。平成以降も着実に勝ち星を重ねており、当分2位は維持する見込みだ。

第1位は中京大中京高!
今年の初戦で史上初の「夏の大会100試合」達成

 夏の大会で全国最多の勝ち星を誇るのは、多くの通算記録部門でトップに立つ中京大中京高(78勝21敗)。夏の通算勝利78勝は2位に17勝もの大差がある。1大会では優勝しても最大6勝しかできないため、当分1位の座は安泰だろう。

 戦前から、中京商、中京高、中京大中京高と名前を変えながら、一貫して全国トップクラスの実力を保ち続けている。そのため、第1回大会の頃から活躍していると思っている人も多いが、実は同校が創立されたのは、第9回大会が行われた1923年。大会当初にはまだ創立されていなかった。

 しかし、1931年に初めて甲子園に出場すると、いきなり夏の大会で全国制覇、しかもそこから空前の3連覇を達成した。以来、平成初期に一時低迷したが、2009年夏にも全国制覇するなど、現在でもその勢いは衰えていない。

 ちなみに現在まで夏の通算試合数は99試合。今年も出場を決めており、初戦で史上初の夏の大会100試合を達成する。