ちゃんと働いているのに評価されない」「サイレント減点されている」……
あなたは職場でこういった「コスパの悪い」働き方をしていないだろうか?
あなたも、「職場で要領よく立ち回れる人」になって、「会社で自由と安寧を手に入れたい」と思ったことはないだろうか。
そんな思いに応える新刊が、『雑用は上司の隣でやりなさい』だ。最短出世中・現役エリートメガバンカーのたこす氏が「なぜか評価をされる人」が戦略的にやっている75のテクを明らかにした革新的な一冊として、各所で話題沸騰中。
地頭力よりも実力よりも大切な「超・圧倒的に役立つ」ノウハウが満載の本書。今回はそんな本書から「職場の上司と蜜月関係を構築した本当の話」を解説する。

【本当にあった職場の事件簿】上司と結んだ「蜜月」の関係…出世を目論むメガバンク行員の衝撃の行動とはPhoto: Adobe Stock

A課長の苦手分野をハックして構築した「蜜月関係」

 メガバンクの異動は早くて3年、遅くて5年程度と言われている。
 ちなみにこれは担当者クラスの話で、管理職になるとスパンはより短くなる。2年から3年で異動することが多く、早い人は1年で異動ということもあった。

 僕が中堅銀行員になった頃、人事異動で新しく着任して僕の上司になったのがA課長だった。A課長は海外畑を歩んできた人で国内のルールには疎かった。性格は熱血タイプで、感情が先行することが多い傾向があった。一方僕はルール重視で感情的になることが少ないタイプで、真逆のキャラクターだ。

 僕はこの「相性の補完関係」はどう見てもチャンスだと考え、行動に移した。
僕は、A課長が異動してきてから半年間、徹底的にA課長の苦手分野をカバーし続けた。銀行内で新しくルールが制定されるたびに分かりやすくポイントを解説するようにしたし、A課長とは馬が合わない感情的なお客さんとの交渉は積極的に僕が前面に出るようにした。その結果、半年後にはA課長は僕なしでは仕事が回らないようになっていた。

人事評価・異動先…手に入れた「非公開情報」

 ここまで信頼関係が出来上がると、A課長から「普通の平社員では知り得ない情報」を含めた相談が僕に来るようになった。

 例えば、「新しく支店に配属される新入行員の履歴書リストをもとに、僕たちの課に合っている新人は誰がいいかアドバイスしてほしい」といった相談や、課の先輩の異動先として勧められている「ある部署」の裏側での評判は本当はどうなっているのか、その実態を調査してほしいといったお願いなどである。

 しかも最終的には、「僕自身の人事評価」と「次の異動先として挙がっている候補について」などなど、挙げればキリがないほどの通常ではあり得ない非公式な相談を受けた。

 なお、この「蜜月関係」によってA課長と僕の所属する課は他の課よりも高いチームワークを実現できた。A課長は無事に好成績を収めてご栄転することになり、僕自身も理想の異動先を勝ち取った。

 この成功体験があって以降、僕はより高度な上司ハックを目指すようになっていった。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』から一部を抜粋・編集・加筆したものです)