夏休みの自由研究に使える!平凡なことを「探求したくなる謎」に変える4つの質問とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

自主的に課題やテーマを見つけて、情報を収集・整理しながら独自の答えを見つけていく「探究学習」が学校教育に導入されてから、20年あまり経つ。しかし子どもや保護者たちからは「どうやればいいかわからない!」という声も多い。「探究」を成功させるにはどうすればいいか。工学研究者がコツを伝授。夏休みの自由研究に困っている親子も必読です!(取材・文/フリーライター 桜井美貴子)

「調べて答えを出す」
日常生活ではありふれた活動

「“探究する力”の大切さは学校の授業に限ったものではありません」

 こう語るのは、中央大学大学院理工学研究科客員教授の中田亨氏。大学の研究室では指導教官として、大学生の研究活動を指導している。工学研究者である中田氏の元には、探究活動の一環として中高生がインタビューに来ることもあるという。

「探究というと高尚なものに聞こえますが、要は調べて答えを出すという、仕事や日常生活ではありふれた活動です。自分で知識を作り出す力は大学生や社会人にとって必要なスキルであり、大学入試でも重視される傾向にあります」

 その一方で、探究学習は全員が教科書を開いて、教師から同じ知識を「教わる」授業ではない。中田氏曰く「知識伝授型の授業と比べて、異質の活動」である。特定の科目にこだわらずに自由にテーマを選び、問いを立て、さまざまな知識を組みわせてなるべく多くの手段を考案し、問いの結論を得ていく。

 ほとんどの生徒にとって経験がないであろう「自律的学び」が求められるわけだが、「コツを押さえれば難しいことはなく、誰でも成果を出すことができます」(中田氏)。

 中田氏に、探究学習を成功させるコツと注意点を聞いた。