マニュアル、ルールとは
「個人を縛る」ものではない
マニュアルやルールは、人のために、どうあるべきか。これを最も探求してきたのは法学だが、実は経営学でも深く掘り下げられてきた。管理をするとはつまり、個人に規則を順守させることだからだ。それがどういう意味をもつのか、どうあるべきなのか、経営学では既に100年以上も議論されてきている。
かつて、人が組織の中で働くことがまだ珍しかった時代には、マニュアルやルールは、組織を維持することが第一義で、そのために個人の行動を制約する意味があった。組織のルールは、組織が主、個人が従だったのである。
だが、近代社会の成熟につれ、マニュアルやルールは、個人が主、組織が従へと形を変えている。
現代の経営組織論では、マニュアルやルールは、「組織の所属構成員として正しくあるために、こうでなければならない(Must)、こうすべきである(Should)、こうすべきではない(Should not)、こうであってはならない(Must not)の4つを定めたもの」と定義されている。
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