役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング#9Photo:Photolibrary

2001年の中央省庁再編で、旧自治省、旧総務庁、旧郵政省が合併してできた巨大官庁、総務省。上場企業の社外取締役に就いているOB・OGは意外と少なく、全17人だった。特集『役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング』(全16回)の#9では、総務省出身者のランキングを公開する。役員報酬額で1000万円を超えたのは4人。1600万円で1位となったOBは、同省退官後に16年も知事を務め、全国知事会会長に選出された人物だった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

2省1庁の合併でできた巨大官庁・総務省
OB・OG社外取の推計報酬額を一挙公開!

 2001年の中央省庁再編で、旧自治省と旧郵政省、旧総務庁が合併してできた巨大官庁――。それが今回取り上げる総務省である。

 自治省はその名の通り、地方自治を担当していた。旧自治官僚は国と地方自治体を行き来するケースが多い。府庁や県庁などで課長や部長となり、副知事も務め、さらに選挙に担がれて知事に就任するルートもある。

 パワハラなどの疑惑を内部告発された兵庫県の齋藤元彦知事は、この系譜だ。入省が02年のため、既に看板は総務省になっていたが、08年に新潟県佐渡市企画財政部長、14年に宮城県財政課長、18年に大阪府財務部財政課長といった齋藤氏のキャリアは、まさに旧自治省のそれである。

 郵政省は、現在の日本郵政やNTT、NHKなどと深い関係がある。郵便事業や情報通信行政、テレビの放送免許などをつかさどっていたからだ。

 そして総務庁は行政評価を担っていた。三公社(日本国有鉄道=現JR各社、日本電信電話=現NTT、日本専売公社=現JT)が民営化を果たす際には大きな存在感を誇っていたが、現在の総務省では主流派ではない。07年8月以降、旧総務庁出身の総務事務次官は出ていない。

 さて今回は、2省1庁の合併でできた巨大官庁・総務省を出身母体とする、上場企業の社外取締役を取り上げていく。上場企業の社外取に就いている総務省OB・OGは、意外と少なく全17人だった。

 ダイヤモンド編集部は、総務省OB・OGの社外取が受け取っている総報酬額を独自に試算。役員報酬額で1000万円を超えたのは4人。1600万円で1位となったOBは、同省退官後に16年も知事を務め、全国知事会会長に選出された人物だった。

 それでも、これまでの特集で取り上げてきた財務省や経済産業省、国土交通省や厚生労働省、外務省OB・OGに比べると報酬額は低めだ。各省で報酬額1位になった社外取は、それぞれ4471万円、9904万円、2025万円、4733万円、4942万円となっている。

 それでは次ページで、詳細を見ていこう。ランキングの中で、再就職先の「社名」や「兼務社数」「推計報酬額の合計」といった項目を見ていけば、社外取としての働きぶりが待遇に見合うものかどうかはチェック可能だ。

 また、総務事務次官や消防庁長官、大臣官房審議官などの「役人時代の主なポスト」は報酬額と強い関係があり、必見の内容だ。