役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング#12Photo:Photolibrary

国民の財布を把握する情報力と査察権を持ち、政官財の各界から恐れられている国税庁。財務省の外局ながら、社外取締役に就いているOB・OGの数が143人と最多になったため、財務省とは切り離して集計。特集『役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング』(全16回)の#12では、国税庁出身者のランキングを公開する。退官後、税理士として活躍するケースがほとんどで、役員報酬額は1000万円以上が11人。首位となった元税務署長の金額は2350万円に上った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

国税庁出身の社外取は143人で最多
OB・OG社外取の推計報酬額を一挙公開!

 国内に張り巡らせた税務署を通じて、日本中ににらみを利かせている国税庁。国民の財布を把握する情報力や査察権に加え、組織内の絶対的な秩序も、政官財の各界から恐れられているゆえんだ。

 ただ、国税庁は財務省の外局である。しかし、社外取締役に就いているOB・OGが143人もいた。中央省庁の中で最多の人数になったため、財務省とは切り離して集計。本特集の#1財務省出身の社外取締役「報酬」ランキングから独立させて、別途その顔触れを詳しく紹介する。

 ダイヤモンド編集部は、国税庁OB・OGの社外取が受け取っている総報酬額を独自に試算。役員報酬額は1000万円以上が11人いた。首位となった元税務署長の金額は2350万円に上った。

 ちなみに国税庁の職員は、23年以上勤務すれば無条件で税理士資格を得られる特権がある。このため退官後、税理士として活躍するケースがほとんどだ。国税庁OB・OGの税理士は、税務署との交渉役として企業側に頼られている。国税庁出身の社外取がこんなに多くなったのも、用心棒的な存在として重宝されているからだろう。

 それでは次ページで、詳細を見ていこう。ランキングの中で、再就職先の「社名」や「兼務社数」「推計報酬額の合計」といった項目を見ていけば、社外取としての働きぶりが待遇に見合うものかどうかがチェック可能だ。

 また、「役人時代の主なポスト」は報酬額と強い関係があり、必見の内容だ。社外取143人のうち、元税務署長の肩書を持つ者が59人に上った。ノンキャリアの職員にとって、税務署長は100人に1人程度しかなれない憧れのポストだ。今回のランキングの順位は、税務署の格を反映するものになっている。