各省の官僚で最高位の事務次官は、霞が関の役人の中でもエリート中のエリート。上場企業の社外取締役に就いている元事務次官は40人いた。特集『役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング』(全16回)の#11では、元事務次官のランキングを公開する。これを見れば、上場企業による各省への評価が分かるはずだ。トップ10の半数を占める官庁もあったが、一体どこか?元事務次官の実名と推計報酬額を確認していこう。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
エリート中のエリート!キャリア官僚の最高位
元事務次官・社外取の推計報酬額を一挙公開
官庁で働く公務員のトップ、それが事務次官である。キャリア官僚が30年以上の月日をかけて、同期入省者との競争に勝ち抜いて上り詰める、最高位のポストだ。仕事上の能力はもちろん、人望や見識、運にも恵まれなければ、たどり着くことはできない。
霞が関において、事務次官はエリート中のエリートと位置付けられている。ただ、2009年の民主党による政権交代で、存在が危うくなりかけた時期もあった。
鳩山由紀夫政権は、閣議決定する法案や政令を、事前に調整・決定する場であった事務次官会議を廃止。さらに仙谷由人行政刷新担当相は、事務次官ポストそのものまでなくそうとしていた。
しかし、民主党政権の官僚への敵視は、政と官の意思疎通を困難にし、行政の停滞を招くことになった。11年に起きた東日本大震災もあり、事務次官会議は早々に復活を余儀なくされた。こうして事務次官ポストは現在も残り、そのOB・OGの再就職先は官民の注目を集めている――。
今回は、この元事務次官に焦点を置く。事務次官を辞めた後に、上場企業の社外取締役になった人物は40人もいた。
ダイヤモンド編集部は、元事務次官の社外取が受け取っている総報酬額を独自に試算。そのランキングを見れば、上場企業による各省庁への評価が分かるはずだ。トップ10の半数を占める官庁もあった。
それでは次ページで、元事務次官の実名を見ていこう。ランキングの中で、再就職先の「社名」や「兼務社数」「推計報酬額の合計」といった項目を見ていけば、社外取としての働きぶりが待遇に見合うものかどうかがチェック可能だ。