役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング#4Photo:Photolibrary

道路や鉄道、飛行機にダム――日本の交通と国土の整備を担う官庁、国土交通省。ゼネコンや自動車、運輸関連など企業との接点は多く、社外取締役のOB・OGは40人いた。特集『役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング』(全16回)の#4では、国交省出身者のランキングを公開する。役員報酬額で国土交通事務次官OBを上回り、2025万円で1位となったのはOG社外取だった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

当初予算6兆円、国内屈指の許認可官庁!
OB・OG社外取の推計報酬額を一挙公開

 運輸省、建設省、国土庁、北海道開発庁――。2001年の省庁再編で2省2庁が統合し発足した国土交通省は、道路や空港といった公共事業を所管する巨大官庁として君臨している。同省の当初予算の規模は約6兆円に上る。

 旧運輸省は、バスやタクシー、鉄道や航空などの許認可権を持っていた。一方、旧建設省は、建築物の高層化や構造の規制、市街地や道路整備などの許認可権を握っていた。両者をのみ込んでできた国交省は、国内屈指の許認可官庁でもある。

 今回は、国交省を出身母体とする上場企業の社外取締役40人を取り上げる。ゼネコンや自動車、運輸関連など企業との接点が多い同省は、12ある府省の中で3番目に社外取の人数が多かった。

 ダイヤモンド編集部は、国交省OB・OG社外取が受け取っている総報酬額を独自に試算。役員報酬額で国土交通事務次官OBを上回り、2025万円で1位となったのは女性社外取だった。

 社外取の人材マーケットにおいて、女性人気が高まりを見せている。取締役会に女性がいなければ、実績のある著名経営者でさえ首になりかねない事態が近年生じているためだ。実は1位の社外取は、近年の女性人気を象徴する人物なのだ。

 それでは次ページで、詳細を見ていこう。ランキングの中で、再就職先の「社名」や「兼務社数」「推計報酬額の合計」といった項目を見ていけば、社外取としての働きぶりが待遇に見合うものかどうかがチェック可能だ。

 また、国交事務次官や航空局長、観光庁長官などといった「役人時代の主なポスト」は報酬額と強い関係があり、必見の内容だ。