テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになった。そして19歳のとき、4つの銘柄を買ったことが株式投資の始まりだった。あれから68年、バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで減った。しかし今、資産は20億円まで増え(2024年6月時点)、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。
個別銘柄のチャートは「葉っぱ」?
チャートを読むのは重要ですが、情報を集めることも非常に重要な行為です。たとえるなら、個別銘柄のチャートは「葉っぱ」なわけです。
葉っぱの動きを読むには、枝や木全体の動き、森全体の動きを見なくちゃいけません。枝は「決算」、木は「日本経済」、森は「世界経済」に当たるでしょうか。
私は、起きている間はずっと日経CNBCを流していますし、新聞や雑誌もチェックするなど、可能な限り情報を集めています。そして、自分のなかで、ある程度のス
トーリーを組み立てているのです。
私と同い年の『会社四季報』
『会社四季報』(四季報)も個人投資家の強い味方です。四季報とは、各四半期の直前に発売されるもので、全上場企業の業績予想などを掲載しています。
創刊は1936年、私と同じ年ですね。いまはネットでオンライン版もありますが、私はもっぱら紙で見ています。それぞれの号には、次のような特徴があります。
◎ 秋号(9月):第1四半期業績を掲載、通期の予想の達成が難しくなっている企業が早くも現れ始める
◎ 新春号(12月):通期の着地点の見通しを掲載、四季報の記者の腕の見せどころ
◎ 春号(3月):通期の着地点がほぼ見え、来期の動向に関心が移る号で、来季の有望企業を先回り買いするのに最適
定期購読で1日早く入手
私は四季報を定期購読しているのですが、そうすると発売日より1日早く送られてくるんです。この1日の差が嬉しいんですよね。
定期購読していない人に比べて1日先に情報を手に入れられるわけですから。私にとっては少し文字が小さいですが、ルーペも活用しながら読んでいます。
四季報には業績記事や財務状況、業績数字などがコンパクトにまとめられています。業績予想については会社が公表したものと、記者が独自予想したものが載せられています。大したものですよ。
決算と予想を比較
考える材料にする
私は保有銘柄だけでなく、全ページに目を通します。見るところはやはり業績の数字ですね。これまで買ったことがない銘柄でも四季報を読んで興味を持ち、購入することもあります。
予想から営業利益を増やしたかどうかは、記事を読み込まなくても欄外の記号だけでわかりますから、初心者であれば、まずはそのような記号を探してみるのもいいでしょう。
私は決算が出たとき、保有銘柄の決算内容と四季報の予想とを比較することで、通期がどうなるかを考える材料にもしています。
大株主として名前が載る
ちなみに、四季報には上位株主10人の名前と保有株数が掲載されています。私自身、2023年春号の四季報では、「ストレージ王」と「東武住販」の2社で名前が載りました。
もうずっとどこかしらの会社の大株主として名前が載っているので、あまり感慨はありませんが、大株主として名前が載ることは「個人投資家の夢」だという人もいるくらいです。
大株主だから「ちょっと面倒くさいこと」
ちなみに、会社の発行済み株式の10%以上を所有するような大株主は、「内部者登録」をしなくちゃいけないという決まりもあります。
その企業の株を売買しようとすると、「私は内部者には該当しますが、インサイダー取引には当たりません」というチェックボックスにいちいちチェックを入れなければいけないので、ちょっと面倒ではありますね。
※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。